北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

林道晴・東京高裁長官にお尋ねしたい。

名誉毀損訴訟の審理を手がけるA裁判官が,
東京高裁平成21年12月16日判決(倉吉敬裁判長,後の東京高裁長官)を読み,
この裁判事案をブログで紹介したい,と思ったとしよう。

控訴人(雑誌社)は,「週刊△△」3週連続で,
「横綱○青龍の八百長を告発する」
「黒い横綱○青龍のカネに群がる大相撲八百長コネクション」
「相撲番記者緊急座談会・私たちが見た品格なき○青龍の素顔と八百長現場」
という見出しの下に,
被控訴人○青龍が八百長相撲をしており,
被控訴人相撲協会がこれを放置,黙認しているとして,
両名らを告発し,
八百長相撲の手口や方法等を紹介した週刊誌記事をめぐって,
被控訴人らの名誉毀損の有無等が争点となったことを
ブログで紹介した上で,

控訴人(雑誌社)側の主張として,
平成18年11月場所の○青龍の取組全15番のうち,
(2日目,4日目,7日目,8日目の4番を除く)11番が八百長相撲であると断定する記事が掲載された週刊誌が発売された後に,相撲協会が行った調査について,
「泥棒が泥棒に事情を聴いているようなもの」
「お手盛・事情聴取は笑止千万」
「そもそも過去『注射相撲』をしてきた親方衆が本気で現役力士の八百長を追及できるわけがない」等の記事を掲載したことについて,
相撲協会に対する意見を述べたものであって,
「公正な論評として違法性を欠く」と主張した,・・・とブログで紹介し,

「さて,東京高裁の結論は?

・・・原判決変更(名誉毀損は認めるも慰謝料減額)」

・・・とブログに書き込んだ,としよう。

この場合,ブログ投稿者のA裁判官は,「相撲協会の感情を害した」との理由で,
懲戒事由(裁判官としての「品位を辱める行状」)に当たり,
分限裁判を申し立てられるのだろうか??

なになに?,「刑事告発」を受ける羽目になるし,法曹界・学界からの「風当たり」は強いは,で,
もうビビッちゃって,「分限裁判申立て」は懲り懲り,ですって?

冗談はさておき,
上記設例におけるA裁判官のブログ投稿は,社会通念上は,
客観的には,相撲協会に対する誹謗・侮蔑の表明を意図するものと理解され,
裁判官としての「品位を辱める行状」に当たると解されることになろう。

しかしながら,たとえ一般人から如上のブログ投稿をされたとしても,
今の相撲協会に対する社会的評価は,既に地に墜ちており,
怒る資格などないと思う。