北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

京都弁護士会に告ぐ。あまりに「軽薄」ではないか。

京都弁護士会(会長・三野岳彦弁護士)は,今般,
国際芸術「あいちトリエンナーレ2019」(実行委員会会長・大村秀章愛知県知事)での企画展「表現の不自由展・その後」について,河村たかし名古屋市長が,公共施設である愛知芸術文化センターにて,自ら「従軍慰安婦を象徴する『平和の少女像』や昭和天皇の写真を含む肖像群が燃える映像作品など,過去に展示を拒否されたり公開中止になった作品」が展示されているのを目の当たりにして,大村知事に対し,「日本国民の心を踏みにじる行為」などと抗議するとともに,展示中止を求めた行為について,
「公権力が,表現内容に異議を述べて中止を求めること」であり,
「表現活動に多大な萎縮効果をもたらすもの」と一方的に断定した上で,
「到底許されるべきではない」「断固抗議する」との会長「声明」
そのホームページ上で,公表している(R1.8.21付け),。

しかしながら,京都弁護士会の上記会長声明は,事態の正当な評価を欠いた,
極めて「皮相な」見解というべきであって,失当である。その理由は次のとおり。

第1に,そもそも,京都弁護士会・会長(当該「声明」起案代行者)は,
河村市長が展示中止の求めた作品の内容・内実をきちんと精査した上で声明を行っておらず,無礼である。すなわち,上記会長声明でも「報道によると」という「留保」(=逃げ口上)が付されていることに示されているとおり,上記会長声明が,「著しく歪曲された」「朝日新聞」「中日新聞」等の一部マスコミの報道に依拠していることが明らかである。
 しかしながら,当該展示物の中には,典型的には,昭和天皇の御真影・写真を「バーナー焼き」で「焼毀(しょうき)」するとともに,その燃え殻を靴で踏みつける「足蹴」行為を動画で「表現」するといった「政治的プロパガンダ」であり,このような展示物は,「日本国民の統合の象徴」(天皇)を「暴力」的表現をもって「侮辱」「冒瀆」するもので,「芸術」の名に値しないことは明らかである。そして,このような悪質な「政治的プロパガンダ」について,これを「芸術」に名を借りて愛知県知事・大村が「公金を使って」,「愛知県が管理する公共の場で」,自ら主体(=「主催」者として)となって「援助」を行うことは,著しく不適切である。したがって,河村市長が,当該「芸術祭」を財政的に一部「援助」(公金支出)している立場から,愛知県知事に対し,抗議し,中止を求めることは当然の対応である。このような河村市長の所為をもって,「到底許されるべきではない」と一方的に断じて憚らない京都弁護士会の会長声明は,健全な社会常識に反するとの批判を免れない

第2に,京都弁護士会の上記会長声明は,そもそも,公権力が,公共施設で表現活動が行われる場合の関与の態様として,『規制』と『援助』との二類型があり,本件事案は後者(『援助』)の場合に当たるといった問題意識が欠落している。この意味でも,京都弁護士会の上記会長声明は,「皮相な」見解であるとの批判を免れない。

第3に,京都弁護士会も認めるとおり,河村市長は「大村知事(=公権力)に対し」て,事実上,抗議・中止(悪質な表現活動に対する「便宜供与」の中止)を求めたのであって,表現の主体,「作品」の作者(=「表現」行為者)に対し直接,「表現」行為の制止・自制・自粛を求めたものではない。したがって,そのような「大村知事(=公権力)に向けられた」行為が,いかなる脈絡で,その表現者=作者に対し「表現活動に多大な萎縮効果をもたらす」といえるのか???全く理解に苦しむ!!! はっきり言って,アホじゃないか??

第4に,「テロを予告して展示を求める行為」は,強く社会的に非難されるべき犯罪行為であることは,もとより,河村市長(名古屋市長,あいちトリエンナーレ実行委員会会長代行)としても,当然に承知している。しかるに,京都弁護士会の上記会長声明は,そのな犯罪行為と,河村市長の正当な中止申し入れ行為とを「並列的」にならべて言及しているのであって,滅茶苦茶である。

 

以上のとおり,事実関係をきちんと確認せず,弁護士会・会長の名を語って,

軽薄な意見表明を行うことは,軽率であり,弁護士会として不相当である。

 

最後に,京都弁護士会・会長に問いたい。

あなたは,本件が国際「芸術」祭で起きたことの意味を真に理解していると公言できるのか?
しかるべき学芸員が,過去に「芸術でない」という理由から「排除」した「表現作品」について,これを何の「芸術」的才能もなく,「芸術的」センスもなく,「芸術の」素養も教養も全くない「アホ」が,もっぱら「過去に『芸術でない』」という理由で「排除」されたこと」だけを理由として,当該「表現作品」を「芸術」として認め,これを「公営の」「『芸術』祭」で展示させれば,たちまち「芸術」に化学変化し,「芸術」として待遇すべきだ,とでもいうのか??,そんな事象を認めること自体が「背理」(アホ)というべきではないのか。

 

 

斬新なネット発信をされている会長のようだが・・・?