北口雅章法律事務所

これまでの実績Achievement

※ 依頼者のプライバシーに配慮して,公刊物に掲載された判決例に限り,ご紹介いたします。

※ 敗訴判決も,相応の事例的意義があると考えられる判例については,掲記してあります。

<凡例>
判例時報:「判時」,判例タイムズ:「判タ」
最高裁ホームページ:「最高裁HP」

医療関連訴訟事案

判例要旨公刊物・関連記事等
名古屋地判H12.09.18
(筏津順子裁判長)

小学二年の男児が精索捻転症により左睾丸摘失手術を余儀なくされた事案について,初診時の個人診療所医師に専門医への転医勧告義務違反が認められた事例(認容)

  • 判時1750.P121
  • 判タ1110.P186
名古屋地判H13.1.12
(高橋勝男裁判長)

患者が劇症肝炎により死亡した事件につき,漢方の感冒内服薬の薬疹が原因であるか否かを確認するために行われた際の内服テストの際の同薬剤の投与が劇症肝炎を発生させたものであり,担当医師には慎重な検討を経ないまま危険性の高い同内服テストを実施した点に過失があるとして,損害賠償が認容された事例(認容)

  • 判時1759.P105
  • 判タ1177.P253
  • 新聞
名古屋地判H16.5.27
(佐久間邦夫裁判長)

患者とその両親が,相手方病院において患者が重症仮死の状態で出生し,その後,同人が移動機能障害による身体障害者等級1級の認定を受けたことにつき,相手方病院の担当医師らには,急速遂娩を可及的速やかに実施すべき義務を怠った注意義務違反があるなどと主張して,相手方病院に対し,債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償として,患者につき1億6403万1188円等の支払をそれぞれ求めた事案(認容)

名古屋高判H16.5.27
(小川克介裁判長)

患者に肝切除術の適応がないのにが腹腔鏡下肝切除術が施行された結果,患者は死亡したと主張した事案で,原審は,請求棄却の判決を言渡したが,控訴審は,担当医師には,本件手術前の検査結果から患者に肝切除術を施行すべきではなかったにもかかわらず,本件手術を施行した過失があると認めた事例(逆転勝訴)

名古屋地判H16.6.25
(氣賀澤耕一裁判長)

大動脈解離の急激な伸展によって死亡した入院患者につき,担当医師において,当初の入院時から退院時までの間は,当該患者の急性大動脈解離を見逃していたことにつき,注意義務違反があったということはできないが,再入院時には,急性大動脈解離の典型的な症状を示していたのに,その手術が可能である医療機関に転送しなかったことにつき,注意義務違反があると認めた事例(認容)

名古屋地判H16.9.30
(佐久間邦夫裁判長)

胆石の精査・手術のために入院後,ERCP検査に際して急性膵炎を発症して死亡した場合,急性膵炎の診断及びその重症化に対する対応において医師が注意義務を欠いたとして,病院側の損害賠償責任が認められた事例(認容)

名古屋地判H17.5.25
(佐久間邦夫裁判長)

患者が,相手方病院・整形外科にて,左腓骨神経麻痺の通院治療中に閉塞性動脈硬化症により左下腿壊疽となって左股関節離断及び下股機能障害の後遺症を負ったのは症状の経過観察を怠った注意義務違反によるものであり、その後,同病院内科にて,イレウスの入院治療中に穿孔性腹膜炎で死亡したのは,同科担当医が腹部超音波検査を怠ったことによるものであって、いずれの場合も医師に過失があるとされた事例(ダブル認容)

名古屋地判H17.12.22
(佐久間邦夫裁判長)

相手方病院に勤務していた準看護師(原告)が,院長医師の勧奨したエンシュア缶を利用した特殊なダイエットを実施したことによって摂食障害等を発症したのは,同医師の注意義務違反に起因するものでことを理由に損害賠償請求したが,同医師には,原告の体調の悪化に注意を払う機会はなかったとの理由で請求を棄却した事案(棄却)。

名古屋地判H17.12.22
(佐久間邦夫裁判長)

患者が愛知県の開設する愛知県がんセンター(平成17年 4月1日以降,「愛知県がんセンター中央病院」と改称) において,不法なリンパ節郭清手術を説明なく受けた結果死亡したと主張して,患者の妻子が損害賠償を求めたところ,「リンパ節郭清については,執刀医はそれ自体を取り上げて説明していないが,「肝臓を大きく取ることもあり得る」という表現で包括的に説明しており,変更の可能性のある術式の説明としては十分であるとの理由から,医師に過失はないとした事例(棄却)

名古屋地判H18.3.30
(佐久間邦夫裁判長)

胸部大動脈瘤を患う患者に対し,カテーテル操作により血管を通してステントグラフト(人工血管)を患部まで運んだ上で留置する胸部ステントグラフト内挿術が行われた際,径路血管が破損し,患者がショック状態となり死亡するに至ったことについて,手術を担当した医師らが,過度の力を加えて血管を破損することのないように慎重にステントグラフトを操作すべき注意義務に違反したとして,患者の遺族である原告らの,被告病院に対する損害賠償請求が認められた事案(認容)

名古屋地判H19.1.31
(加藤幸雄裁判長)

強直性脊椎骨増殖症(ASH)と診断された患者が,頸椎骨切除手術を受けてまもなくに呼吸困難を訴えて死亡したのは,医療従事者らが,術後に適切な経過観察をしなかったこと,相手方病院の医師が,呼吸困難の際に迅速に気道確保をしなかったこと,同医師が,術後に適切なドレーンを選択しなかったことなどの過誤によるものと主張して,損害賠償を求めたところ,同医師には,不慮の事態が生じた時には即時に気管内挿管や気管切開の措置を講ずることができるよう準備を進めるべき注意義務に反して,経過観察を懈怠した過失があるとした事例(認容)

名古屋高判H19.10.25
(坂本慶一裁判長)

[名古屋地判H18.3.30事案の控訴審] 術者の手技上の過失を認め,病院側の控訴棄却(認容)

名古屋地判H20.10.31
(永野圧彦裁判長)

肝臓がん患者が,ラジオ波焼灼術(RFA)及び経皮的エタノール注入療法(PEIT)を受けた後に死亡したことについて,これらの治療後に感染症の徴候があったのに抗生剤を変更しなかった過失が認められるものの,過失と死亡との間に因果関係は認められず,過失がなければ死亡時点においてなお生存していた相当程度の可能性が認められるとして,慰謝料請求が認容された事例(一部認容)

名古屋地判H21.06.24
(永野圧彦裁判長)

相手方病院で出生したAに脳性麻痺による後遺障害が残ったことにつき,徐脈の発生時期が争われた事案において,准看護師の認識する前から徐脈が生じており,准看護師には分娩監視を怠った過失が認められ,同過失と上記後遺障害との間の因果関係も認められるが,分娩監視が適切になされていたとしても,一定の後遺障害の残った可能性が高いとして,その点を損害額の算定にあたって考慮し,原告らの損害賠償請求の一部を認容した事例(認容)

名古屋地判H25.01.25
(堀内照美裁判長)

注腸造影検査に際して,大腸癌を疑うべき所見を見落とした過失と死亡との因果関係を肯認した事例(認容) なお,名古屋高判H25.8.8(渡辺修明裁判長)で控訴棄却(勝訴確定)。

  • 医療判例解説Vol.47, P.80 2013.Dec
名古屋地判H27.09.18
(朝日貴浩裁判長)

慢性肝炎の患者に対し,肝細胞癌サーベイランス(超音波検査等)を懈怠したために肝細胞癌(肝外発育型)を見落とした過失と死亡との因果関係を肯認した事例(認容)

  • 医療判例解説Vol.65, P.66 2016.Dec
名古屋地判H28.07.15
(朝日貴浩裁判長)

食道がんに罹患し,ダヴィンチ手術による胸腔鏡下食道亜全摘術等を受けた患者が,ウェルニッケ脳症を発症し,運動失調の後遺障害が残ったことについて,術後管理に携わった医師には手術後にビタミンB1を含む輸液を投与しなかった過失を認め,かつ,当該後遺障害との因果関係を認めた事案。

  • 判例秘書登載【判例番号】L07150440

行政関連訴訟事案

判例要旨公刊物・関連記事等
名古屋地判H13.6.29
(野田武明裁判長)

[藤前干潟購入契約無効住民訴訟]現状において干潟の土地が、過去において陸地であり、その土地を対象とする売買契約は無効でないとされた事例(市側・勝訴)

  • 判タ1079.P86
名古屋地判H15.1.10
(加藤幸雄裁判長)

[行政処分執行停止申立事件]公用財産である教育施設についてされた使用許可処分が右翼の街宣活動等による混乱を理由として取り消されたが,その取消処分には裁量権を逸脱濫用した違法の余地があるとして,その効力の停止が認められた事例

  • 判タ1141.P160
名古屋高判H15.6.27
(熊田士朗裁判長)

[名古屋地判H13.6.29事案の控訴審](控訴棄却)

最判H16.7.13
(第三小法廷・藤田宙靖裁判長)

[世界デザイン博覧会住民訴訟・上告審判決] ①普通地方公共団体の長が当該普通地方公共団体を代表して行う契約の締結と民法108条の類推適用を認め,かつ,② 普通地方公共団体の議会が長による民法108条に違反する契約締結行為を追認した場合における当該行為の法律効果が普通地方公共団体に帰属するとし,③市の事業である博覧会の開催運営等を行った財団法人と市との間でされた博覧会の施設等の売買契約の締結につき市長等に裁量権の逸脱,濫用があるとした原審の判断に違法があるとされた事例(市側・破棄差戻)

  • 判時1871.P32
  • 判タ1163.P142
名古屋高判H17.10.26
(青山邦夫裁判長)

[最判H16.7.13事案の差戻審]市の事業である博覧会の準備及び開催運営を行うことを唯一の目的として設立された財団法人が上記事務を行ったが,博覧会の入場料収入等だけではその開催運営経費を賄いきれないことから,市がその収支の赤字を回避する目的で当該法人との間で博覧会の施設及び物品を買い受ける旨の契約を締結したことにつき,前記財団法人は,市からその基本的な計画の下で具体的な準備及び開催運営を行うという事務を委託され,その委託の本旨に従ってこれを継続的,統一的に実行したものということができ,しかも入場料収入等では不足する費用についてはその大半を市からの補助金等で賄っていたという両者の関係に照らせば,その間には実質的にみて準委任的な関係があったものと認められるから,市は,委託者の費用償還義務を定めた民法650条1項,2項の規定に照らし,前記法人が基本財産と入場料収入等だけでは賄いきれない費用については負担すべき義務があったと解するのが相当であり,市が前記契約を締結することにつき,裁量権の逸脱,濫用はないとした事例 (逆転勝訴)

名古屋地判H21.1.29
(松並重雄裁判長)

尾張旭北原山土地区画整理組合による仮換地指定処分が,照応の原則に反しないとされたが,愛知県が,同指定処分に係る審査請求の受理から3年以上もの間,裁決しないことに合理的理由がないとして,不作為の違法確認の訴えを肯認した事例(一部認容)。 なお,本件控訴審では,名古屋高判H21.12.17(岡光民雄裁判長)が,上記仮換地指定処分の照応原則違反を認めている(逆転勝訴)。

  • 判例地方自治・平成20年索引・解説号(針原祥次弁護士の解説あり)
名古屋地判H24.1.19
(増田稔裁判長)

市の長である原告が,市議会(被告)に提案した中期戦略ビジョン(本件戦略ビジョン)が修正のうえ議決され,同修正議決と同内容の議決(本件議決)がされたことから,本件議決は議会の権限を越えるものであるとして,地方自治法176条7項に基づき,その取消しを求めた事案で,本件修正は本件戦略ビジョン施策の基本的な方向性を変更するものではなく,市議会の修正権の範囲を超えるものではないとした上で,本件議決が議会の権限を越えたものではないと判示された事例(市長側・棄却)

  • 宇賀克也(東京大学大学院教授)「地方自治法概説【第6版】」P249
  • 判例秘書登載【判例番号】L0675002
名古屋地判H24.1.19
(増田稔裁判長)

市の議会(被告)が行った「市公開事業審査の実施に関する条例」(本件条例)の再議に関する議決(本件議決)について,市長(原告)が,本件議決は議会の権限を越えるとして,地方自治法176条7項に基づき,その取消しを求めた事案で,市議会は,事業審査の実施に係る事務(本件事務)に関し,法令に違反しない範囲で条例を制定する権限を有しており,本件事務が市長の専属的権限に属する事項とは解されず,議会には執行機関(長)の事務に対し監視権がある等とした上で,本件議決が議会の権限を越えたものではないと判示された事例 (市長側・棄却)

  • 宇賀克也(東京大学大学院教授)「地方自治法概説【第6版】」P252
  • 判例秘書登載【判例番号】L0675003
名古屋高判H27.11.12
(藤山雅行裁判長)

土地家屋調査士法44条1項に基づく懲戒申出を受けた地方法務局長がした当該土地家屋調査士に対し懲戒処分を行わないとの決定の行政処分性を肯認しつつも,同法同項に基づく当該決定の違法確認の訴えを不適法な訴えとした事案(棄却)

  • 判時2286.P40
  • 法学セミナー61-9.P157
  • 平成28年度重要判例解説P41,
  • 自治研究93-10に掲載予定。
最高裁H28.7.8
(第2小法廷,小貫芳信裁判長)

労働者が,業務を一時中断して事業場外で行われた研修生の歓送迎会に途中から参加した後,右業務を再開するため自動車を運転して事業場に戻る際に,研修生をその住居まで送る途上で発生した交通事故により死亡したことが,労働者災害補償保険法1条,12条の8第2項の業務上の事由による災害に当たるとされた事例(逆転勝訴,原審・東京高判H26.9.10[瀧澤泉裁判長])

一般民事訴訟事案

判例要旨公刊物・関連記事等
名古屋地判H13.7.10
(筏津順子裁判長)

ゴルフクラブに係る営業譲渡につき詐害行為の成立が肯定された事例(認容)

  • 判時1775.P108
名古屋地判H18.2.3
(中村直文裁判長)

イモビライザー等の盗難防止装置を装備した外国製高級自動車が消失した事件につき,窃取方法の可能性,犯行現場の状況,被害者が関与する動機の有無,供述の変遷及び立証の難易等の諸事情を考慮して,自動車の消失は偶然の事故によるものであったと認定し,保険会社に対して車両保険契約に基づく保険金の支払を命じた事例 (敗訴)

  • 判タ1233.P296 (この判決は疑問です。)
名古屋高判H22.3.19
(岡光民雄裁判長)

死刑判決を受けた被告人の手紙の一部を引用する記事を週刊誌に掲載して公表・頒布した場合において当該被告人の宗教的人格権・名誉感情,プライバシー及び著作権の侵害を理由とする当該週刊誌の発行者に対する損害賠償に理由がないとされた事例(請求棄却・敗訴確定)

  • 判時2081.P20
名古屋高判H26.1.23
(長門栄吉裁判長)

人身傷害保険約款における保険金不支払事由としての「被保険者が,酒気を帯びて(道路交通法第65条1項違反またはこれに相当する状態)」とは,社会通念上酒気を帯びているといわれる状態,すなわち,その者が,身体にその者が通常保有する程度以上にアルコールを保有していることが,顔色,呼気等の外観上認知できる状態にある場合を意味し,血中アルコール濃度0.30?/ml以上又は呼気アルコール濃度1リットル中0.1?以上が身体に保有されている場合に限定されないとされた事例。 死後採血された血液中に0.20?/mlのエタノールが検出されている場合であっても,そのエタノールが死後に血糖の醗酵現象によって産出されたものである可能性を否定することができないとして,被保険者が「酒気を帯びて」自動車を運転して本件事故を起こしたものと認めることはできないとされた事例。 。(逆転勝訴)

  • 最高裁HP
  • 金融・商事判例 1442.P10
  • 判例秘書登載
  • 損害保険研究77-2.P245
  • 法律のひろば68-8.P59