弁護士のブログBlog
コロナウイルス被害が未だ沈静化していないこの時期に,
大雨洪水被害にあった九州地区は大変なことになっているが,
岐阜県の各地でも,大雨による洪水・土砂災害を警戒して,
「避難勧告」が出ている。
かつては,このようなテレビのニュース番組を見ていても,
地縁のない地域であると,他人事のごとく考えがちだったが,
今夜(7月7日)のNHKニュースの上縁で,
「避難勧告」の出ている地名を何気に見ていると,
円空仏の研究者にとっては,無視できない円空ゆかりの地名がズラズラでてくるので,思わず,ため息が出る。
何? 「岐阜県下呂市小坂町長瀨」だと?
「妙喜堂」は大丈夫か?,という話になる。
妙喜堂といば,・・・
聖観音像
上を向いた善財童子
異形の善女龍王
同じく下呂市の荻原町も,円空仏の宝庫ではあるが,
実は,同地区では,荻原町の中心部に多く分布している。
そこで,「避難勧告」の出た萩原町の「北部」に限ってみると,
「位山八幡神社」は大丈夫か?という話になる。
下掲の歓喜天(左)と迦楼羅(右)が所蔵されている。
以上,写真出典:『南飛騨の円空佛』(ひだ萩原町)
関市の「上之保」と聞けば,円空ファンは,イヤ~(嫌~)な気分になる。
かつて関市上之保村の「鳥屋市」の不動堂には,
かつて多くの円空ファン(主に男性)を狂わせた尼僧像が存在したが,
盗難に遭って,今は現物がないからだ。
(写真:後藤英夫・部分)
一方,上掲「避難勧告」の出た「洞戸地区」といえば,高賀神社。
高賀神社といえば,虚空蔵菩薩像と,十一面観音三尊。
いずれも円空晩年の傑作だが,こちらは,あまり大雨被害は心配していない。
現在は,近代建築の「円空資料館」で保存されているからだ。
虚空蔵菩薩
高賀神社所蔵の十一面観音三尊
最後に岐阜県郡上市八幡町。
同町には,あまり有名な円空仏はないはずだが,・・・
念のため,調べてみると,同町に遺されている円空仏としては,個人蔵の十一面観音,神明社の観音,千虎不動堂に不動明王等が造顕されているもよう。
十一面観音(個人蔵)
観音(神明社蔵)
不動明王(不動堂[八幡町千虎])
が,実は,円空(当時48歳)は,延宝7年(1679年),自らが信奉する白山神から,「そなた(円空)の仏像には神が宿っているぞよ。」という御託宣を受け,嬉しさのあまり,熊野神社(郡上市美並町)の十一面観音の他,三体の不動明王の背銘にその旨の記載をしている。そして,そのうちの一体が,上掲八幡町千虎の不動明王とのことのようだ。
飛騨川氾濫!
気象が異常なのか?,多少の異常に耐えられない堤防が異常なのか?
(今度,流体力学の先生に聞いてみよう。)
岐阜県・長野県に大雨特別警報
※ ヤレヤレ,峠は越えたらしい。