弁護士のブログBlog
原道子さん(元判事)のご冥福を祈ります
- 2026-01-25
先日、原道子・元裁判官の訃報を知った。
未だお亡くなりになるような年ではないはずだが…


原道子裁判官には、私がイソ弁先を独立して、個人事務所を開設した時期、随分とお世話になった。平成10年4月に独立したての頃の私にとって、一番の収入源は、裁判所から委託を受ける破産管財事件であった。破産管財事件は、倒産した会社の資産を現金に換えて、債権者に配当する手続きである。当時、名古屋地裁(民事2部)で破産係を担当されていたのが、原裁判官だった。「独立したての弁護士は、一般にヒマである」ことから、この頃、原裁判官が、私に比較的大きな会社(H社)の破産管財事件を回してくれた。この破産事件の報酬のお陰で、私は、なんとか当面の事務所経費を稼ぐことができた。
H社は、ベビー専用の衣類等を製造販売する会社だった。管財人就任後、H社の倉庫に出向くと、可愛らしい刺繍を縫い込んだベビー服等が、売れ残ったまま、無残に積まれていた。H社長も、会社の債務を個人保証していたことから、同時破産だった。今頃、どうされているか? H社長の愛車セルシオは、格安の値段で第三者の手に渡り、H社のため、刺繍の内職を行っていたご婦人方の生活資金の調達方法も失われた。破産管財事件は、どの事案も、どこか悲哀・哀愁が漂う。
天皇家の愛子内親王が誕生されたのが、2001年〈平成13年〉12月1日。
「雅子様が、もう一年早く、内親王を生んでくだされば、会社は潰れなかったのに、…」というH社長の無念の言葉が今も記憶に残っている(H社長の目算では、「天皇家出産とともに『ベビーブーム』が湧き起こり、ベビー服も、もっと売れただろうに…」とのことだった。)。原・元判事の訃報とともに、あの時代を、ふと想い出した次第。
原・元判事のご冥福を祈ります。

