北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

円空は,ロマンチストだった。

霧の海 深き深山(みやま)に波立て
 月のヲ船(御船)をこきや(漕ぎや)渡らん

 

 円空上人歌集・1058番にでてくる上掲・歌の大意は,次のようなものであろう。

 集落のある里をめざして,夕暮れ後の山道を歩いていくと,奥山の深い谷間に霧が深く立ちこめてきた。あたり一面は,海のようだ。山の上には,上弦の三日月がかかっている。そうだ,あの三日月を船にして乗り込み,波を立てて,山間を漕いで渡っていきたいものだ。

 私は,円空上人の孤独な足取りの中にも,ロマンチックなユーモアを感じる。

(参考)水畑幹夫「越中細入谷で詠まれた円空和歌の解釈・鑑賞」『円空研究=35』所収

 

今年も,はや大晦日

先日届いた「円空学会だより」に,円空の寅像(十二神将)のスケッチあり。

私の知人も,まもなく同じ絵を見ることになるでしょう。