北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

理解に苦しむ「裁判員解任」事件

このニュースをみて,ハア?と思うのは私だけか?

 

 

裁判所も,弁護人も,「裁判員のイビキ」を

「5分間も」放置していたのか???

 

 

私が弁護人として,「無罪の」弁論要旨を読み上げているときに,「裁判員のいびき」が聞こえようものなら,

直ちに弁論要旨の読み上げを中断し,裁判長に対し,
「この裁判員を,即刻,退廷させてください。」と絶対に文句をいう。

裁判長がこれに応じないなどということはありえないと思われるが,
5分間もほかっておくような裁判体であれば,
「あなた方,全員,(地裁)所長と,最高裁事務総局にいいつけてやるぞ!」
と激昂してしまいそうな,自分が怖い。

「(いびきが)5分間にわたって廷内に響き渡り」云々という事態は,およそあってはならないことだと思うのだが。

非常識な裁判員一名のために,法廷全体を「休廷する事態」というのも趣旨不明。

その裁判員を叩き起こして,法廷から追放すればいいだけの話ではないのか。

昔(裁判員裁判が始まる前),私が刑事事件に取り組んでいた時代,
ある裁判長が,法廷の隅で,居眠りしていた修習生をみとがめると,
「そこの修習生,法廷から出て行きなさい。」
と言って,叱っていたのを思い出したが。
このような緊張感に包まれた法廷こそが,当たり前の刑事法廷だと思う。