北口雅章法律事務所

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ウクライナ人が押さえた円空(ENKU)の「壷」

先日,円空仏を紹介した外国の書籍(英文)を手に入れたところ,
その著者(Grisha Dotzenko)は,ウクライナ系・アメリカ人であった。
彼は,その著作の中で,円空仏の名作の数々を写真で紹介し,解説を付している。その殆どが円空ファンには,お馴染みのものばかりではあるが,円空のエッセンス(壷)が,ほぼ網羅的に,要領よく押さえられている。
この審美的センスは,ただ者ではない,と思った。

著者(THE AUTHOR)
グリシャ・ドッツェンコ(Grisha Dotzenko)はウクライナで生まれ,モスクワ芸術大学で芸術を学んだ。1947年、彼は,アメリカに移住し、ニューヨークのアート・スチューデンツ・リーグに加わった。韓国と日本での2年間の兵役は、東洋について学ぶとともに,木版画の技術に情熱を捧げる機会となった。(Grisha Dotzenko was born in the Ukraine and studied art at the Moscow Institute of Arts. In 1947, he emigrated to the United States, where he joined the Art Students League in New York. Two years’army service in Korea and Japan gave him the opportunity to learn about the Orient and to devote his energy to woodblock print techniques.)

円空仏の“原点”である,荒子観音寺像の諸仏を真っ先に紹介いるのは,単なる請け売りでないことを示している。

 

円空学会の一番人気,両面宿儺

 

よく,こんな写真を持ってるなぁ,と感心した。

 

円空学会の二番人気

 

まるで “ 土門拳 ” のタッチ

 

この尊像も,盗難にあった。

 

この角度から撮すと,見つめられているように見える。