北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

イラン大統領・ヘリ墜落死は「事故ではない」でしょ!? 

イラン大統領・ヘリ墜落死事件について、イランの国営放送は、「テロ」ではなく、悪天候による「事故」だと報じた。私は、当初、それを真に受けたが、「タカオカ目線」の報道内容を見て、むしろ、「暗殺」以外の理解が困難なような気がしてきた。先のブログは撤回せざるを得ない。理由は後述する。

「タカオカ目線」で報じられていたことは、
⑴ イラン大統領が乗るヘリにしては、搭乗席が狭くてボロい(旧式)。

 

⑵ 大臣クラスのVIPが3機のヘリに分乗し、大統領と外務大臣のヘリのみが墜落。

 

⑶ 濃霧の出た(悪天候)山岳地帯を飛行中に事故

 

⑷ イランの国営放送が、事故現場を公開し、暗殺・テロでないことを強調して報道。

 

 

 

⑴⑵⑶の諸事情は、いずれも「暗殺」を窺わせるもので、「暗殺でない」と公言するイラン国営報道に疑念を抱かせる不自然な事情であろう。悪天候で、ヘリを飛ばすには危険が伴うにもかかわらず、揃いもそろって、イランの次世代を担うはずだった大統領と外務大臣というVIPが、ボロいヘリに乗る必要がなく、大統領らの「自発的な」意思に基づく行動としては著しく不自然だし、普通の神経の軍幹部であれば、ヘリ搭乗を止めたはずであろう。

となると、イラン国営メディアが強調して伝えたかったことは、前記⑷の事故現場の状況から、「暗殺・テロ」は考えられない、ということであろう。
なるほど、軍事専門家が事故現場をみれば、「ヘリの残骸が残っていることから、ミサイルに撃墜されたわけではない」ことは一目瞭然であること、すなわち、ミサイルが命中したのであれば、ヘリの機体は木っ端微塵となって残骸が残らないはずだ、ということが言いたいらしい。
しかしながら、われわれ法律家が素人的に考えても、イラン内部の有力者が、次世代を担うはずの大統領・外務大臣の同時「暗殺・テロ」を企てたのであれば、ミサイルなどといった目立つ手段を使う必要などなく、「濃霧に紛れた場所で」(前記⑶)、最新鋭のドローンを使ってヘリを墜落させるのではないかこの意味で、前記⑷の事故現場の状況は、「暗殺・テロ」と何ら矛盾するものではなく、むしろ「暗殺・テロ」を窺わせる事情である。イランの国営メディアが、「暗殺・テロ」の否定理由を報道すること自体がかえって不自然で、怪しい。

 

では、「暗殺・テロ」だったとすれば、首謀者は誰で、いかなる動機があったか?といえば、イランの軍事機密=軍隊=ドローン技術を自由に操れる人物、つまり、イランの最高指導者「ハメネイ師」が、自身の息子に政権を「世襲」させようした、と考えると非常にわかり易い。日本の大手メディアは、露骨すぎて、あからさま過ぎる「暗殺疑惑」には、外交問題に発展する恐れがあるので、敢えて触れないのかな?(でも、「タカオカ目線」の報道内容を素直に見れば、「ハメネイ師」による暗殺説を報道しているように理解される。)