北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

マツコ氏には,扇動家「立花孝志」と闘ってもらいたい

「目立ちたがり屋」の立花孝志(N国党)がマツコ・デラックスを被告として,「原告1万人の集団訴訟」を準備しているという。

 マツコ・デラックスが, 「(N国に)ふざけて(票を)入れた人も相当いると思う。」というのは,まさに「表現の自由」に属する正当な評価・主張であり,放送法4条に反しないと思われる。私は,法的には,全く問題がないと思う。そのような「ふざけた」輩が「相当いる」という抽象的な表現は,N国党推薦の参議院議員・立候補者らの面々の「ふざけた」政見放送に照らし(勿論,彼・彼女らの言論も「表現の自由」に属するものとして保護されるべきであるが),上記マツコ発言には,一つの意見としては合理的な根拠があることは,我々の健全な社会通念に照らし明らかだと思われるし,「侮辱」には当たらないもの,と思われる。

 逆に,立花氏が「原告1万人」を動員し,特定個人・特定企業を攻撃することは,集団訴訟に名を借りたスラップ訴訟(「いじめ」)の構造を持つ。このような,「群衆心理」を操作・利用した,それ自体「(立花氏の)自己アピール」を目的とした政治活動は,裁判所を政治目的で利用するもの(裁判所を「道具」として利用している。)という面があることを否定できず,「裁判を受ける権利」(憲法32条)を濫用するものであり,

「国会議員として」著しく不適切である。

 マツコ・デラックスは,徹底的に「立花孝志」と闘ってもらいたい。

  「吠えザル」の「虚仮威し(コケオドシ)」に屈してはならない。

   マツコ氏の代理人弁護士は,まずは,各原告らに対し「あんたらが,N国党に投票したことを証明せよ。」と求釈明をしてもらいたい。各原告本人の陳述書だけで,裁判所がそれを認めるか?(N国支持者ではなかった者が紛れ込む可能性が十分にある。)といえば,裁判所は,そのような面倒な審査をせず,「表現の自由」の範囲に属し,放送法にも違反しないことから不法行為は成立しないという理由で,バッサリと速やかに「切り捨て御免」とばかりに,棄却するものと思われる。

 むしろ,マツコ・デラックス側は,当の立花本人は集団訴訟に参加してこないということなので,この際,立花本人を被告として,「業務妨害」(不法行為)を理由に別訴を起こしてはいかがかな。