北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

「虎に翼」と、亡藤田紀子さんの「弁護士日誌」

法曹界の著名人のなかで、私にとって、最も「思い出深い」方のうちの一人は、藤田宙靖(ときやす)先生である。藤田宙靖先生は、もともと東北大学法学部・行政法の教授であったが、後に15名の最高裁判事の中で「唯一人の学者枠」から、最高裁判事になられた方だ。
 何故、「思い出深い」か?というと、第1に、藤田先生は、東北大学教授時代に、行政法の司法試験委員をされており、私は、当時、「必修ではなかった」行政法を選択受験科目として選択したところ、口述試験(第3次試験)で、藤田先生から口頭試問を受けたことがある。そして、第2に、初めて、最高裁の口頭弁論を経験したとき、最高裁第三小法廷にて、藤田先生が鎮座ましましておられた。

一方、藤田先生のご婦人は、仙台弁護士会所属の藤田紀子弁護士で、かつて事務所のホームページに「弁護士日誌」なるものを連載されていた。そこで、私も、時折、拝読していた。
 
ところで、今年(令和6年)度前期放送のNHK「連続テレビ小説」である「『虎に翼』(とらにつばさ)が好評を博したようで、話題になった。実は、私自身は全くテレビを見ないことにしているので、このテレビ番組は見てはいないのであるが、制作主人公のモデルである三淵嘉子さんが、「日本で初めて女性として弁護士、判事、裁判所長それぞれを務めた」とされていることは承知している。

 

 

本日、ふとしたことから「確か……」と思い起こし、藤田紀子先生の「弁護士日誌」を読み返すと、平成22年(2010年)9月10日の日誌に、彼女が司法修習のときに、女性先輩裁判官から「女性法曹の心構え」について伺ったというエピソードが出てくる。そして、その女性先輩裁判官は、「自分は女性裁判官第1号ということもあるし…」と語ったというのであるから、どうやら三淵嘉子さんだったと思われる。…ということを確認した次第。

 

 

・・・てなことがあって、藤田紀子先生の法律事務所の「弁護士日誌」は、今どうなっているのか?と思い、ホームページにアクセスしてみたところ、「弁護士コラム」に変わっており、先に紹介した、曽我陽一弁護士「時効待ちはお勧めできない」という趣旨のコラムにたどり着いた次第。