北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

たまに遠方から、悲鳴のような「心の叫び」が聞こえてくる

法律事務所のホームページを開設し、ブログで好き勝手なことを述べていると、たまに他府県からも「悲鳴のような法律相談」が届くことがある。
日本全国、最寄りの裁判所の近くには、それ相応の弁護士が分布しているはずなのだが、「ドクターショッピング」ならぬ、数々の「弁護士ショッピング」を経て、つまり、法律事務所の「誇大広告」がズラズラッと検索にひっかかってくる中、深刻な相談を抱えて、めぐりめぐって、アクセスしてみえるケースがたまにある。ウエッブ上でも、弁論ができるよう民事訴訟法が改正された関係で、全国何処の裁判所でも、その気になれば、対応可能となってきてはいるが…

(依頼者にとって)欠けいるものを…補ってあげるといわれるが、そうか?
個人事務所では、残念ながら、すべて需要に応ずることはできない。せいぜいのところ、「(依頼者の)満ち足りない心の叫び」を真摯に受け止め、いかに適切な「羅針盤」を示してやることができるか否かが殆どである。

司法で対応できること、
訴訟で対応できること、
現在の訴訟環境のもとでは、極めて狭く限定される。

大学法学部で最初に教えられることは、
「当事者が一番に望むことは、『相手方(加害者)に対し、亡親族の墓の前で、土下座して謝罪させること』であろう。だが、所詮、法律では、人々が真に望むことは実現できないのだ。」、といったことだ。

近頃は、社会常識を疑うような判決に出くわすこともあって、「司法による二次災害」を目の当たりにすることも少なくない。

また、個人経営の法律事務所の「知的生産性の低さ」については、ひたすら依頼者に詫びるしかない。だが、それでも、なお、気力を振り絞って頑張ることができるのは、
「社会的弱者のため」、「正義のため」、「一矢報いること」
このことに向けられた執念を、依頼者と共有できる場合に限られる。