弁護士のブログBlog
本格的に医療裁判に取り組むようになってから、四半世紀が経つ。
医療裁判では、「負けようがない」と思って提訴した事案でも、病院側から想定外の欺瞞的な弁解が出てきて負けてしまうことがないわけではない。したがって、協力医の存在は必要・不可欠だが、名前を出して(顕名の)意見書を書いてくださる専門医の存在は、大変貴重である。
私が弁護士成り立ての頃に手掛けた医療裁判で、旧国立病院(現在、国立病院機構)を相手に勝訴できたのも、正義観の固まり(=私と同じく?)のようなS先生が、顕名の意見書を書いてくださったことが大きかった。あの当時、顕名の意見書を書いてくださる、篤志家的な医師を構成員とする医療事故の調査組織「医療事故調査会」の存在も大きかった。
その後、感謝の意を込めて、毎年、S先生には賀状を送ってきたが、ついに、今年の「S先生からの賀状」には、「医療事故調査会の解散処理を担うことになりました。」とあった。その理由の詳細は存じ上げないが、何となく解るような気がする(担い手不足と、利用者の質の低下に加え、昨今の裁判所の劣化も無関係ではあるまい。)。
残念で淋しい限りだが、これも時勢・時流の一環なのか…。
長い間、お疲れ様でした。
S先生に意見書を書いていただいたアノ裁判から、もう24年。
私のコメントを、新聞記事にしてくれた、朝日新聞の記者は、今年も賀状をくれた!