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「台湾有事」になれば、…
- 2025-11-10

「台湾有事」になれば、当然、中国の軍艦による「海上封鎖」によって、台湾と日本(尖閣諸島、与那国島)との船舶の往来が遮断される。これに伴って、日本人を乗せた輸送船が攻撃を受けたとき、日本国としては、船籍を問わず、個別的自衛権を行使すべきであろう。
では、日本に(産業に不可欠の)物資を運ぶ台湾の輸送船や、台湾周辺を通行する日本国の輸送船が、中国の軍艦・ドローンによる武力攻撃を受けたとき、日本の存立が脅かされる明白な危険がある状況(「存立危機事態」)が発生する可能性が100%ないと断定できるのか? 何を根拠にそのように言えるのか?
海上自衛隊が、(重要物資のサプライチェーンの遮断を回避すべく)日本に重要物資を運ぶ、台湾船籍の輸送船を護衛すべきは当然ではないか。米国の軍艦が台湾支援にきたとき、米国軍からの要請があれば、その軍艦の警護に従事すべきであろうし、その際、「相当の理由」がある場合は、武器の使用もできる(自衛隊法95条の2第1項)。ただし、この場合の警護は、「防衛大臣が必要と認めるときに限り」認められる(同条2項)。さて、スンズロウにそんな判断ができるのか?

