北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

ある恩師からの手紙

今から20年以上も昔,同窓会の翌日,

中学時代の恩師のY先生(英語教諭,軟式庭球部顧問)からお手紙をいただいた。

そして,今日,その手紙を読み返した。

達筆な,毛筆の文字で,
「昨日は多くの皆様が集う同窓会にお招き下さりありがとうございました。久しぶりに皆様にお目にかかることができてありがとうございます。」
に始まっている(私が企画した同窓会ではなかったのだが,・・・)。
Y先生の教員人生のことが,万感を込めていろいろ綴られていたので,大事に保管してある。

「・・・これからの十年,二十年は,一層の充実した人生を進んでいかれるものと信じます。楽しみであり,『先生』としては皆さんの成功が『誇り』でもあります。がんばってください。」
に続いて,教員人生の思い出とか,定年退職後のこととかが,いろいろ書かれている。

厚生省の主催する「ねんりんピック」(六十才以上)で,全国優勝をされたこととか,
「皆さんの卒業になった四・五年後,中学校は全国で荒れました。」とある。
「反発するどころか先生のネクタイをしめあげてなぐったり蹴ったりを集団でやるようになったのです。若い全く善意で対応する女の先生を冗談まぎれに普通の服のままプールにつきおとす事が三度もありました。」とか。
「…私も教務主任の立場で指導やまとめの仕事にありながら特効薬もなく若い先生も先輩の先生も女の先生も一緒になって毎夜遅くまで話しあって考え苦しんだものです。…」
「オウムのニュースを聞くに実行部隊の二十七才の○○というのを知ると,その○○の中学生時代に新しい規範破壊をした時代を思わざるを得ません。
・・・最近の世相から物騒なものを感ずるこの頃ですが,あらためて家庭の大切さを思わざるを得ません・・
『男女機会均等』とか『女性に職を』とかいうのはわかるけれど,パートで働ける時間や日数の制限をしたらとか,妻の扶養手当を月額十万とか三十万とかにして『家庭』も守ることもが必要に思えてなりません。・・・・」

今読み返しても,万感の思いが伝わってくる。

 

何故,読み返す気になったか?

あれから二十年以上,毎年,賀状は出していたが,

Y先生から,今日いただいた年賀状の文字が???だった。

こっ,これがY先生の字?

「私(パーキンソン)は歩行はヨチヨチ,書く文字はチビた時で,・・・」とある。

嗚呼,絶句。Y先生,お大事に。

長生きしてください,とひたすら祈るしかない。