北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

安倍首相の「ええ格好しい」を演出する讀賣新聞

社会的弱者をこれまで「冷たく」あしらってきた安倍政権が,
ここへきて,まるで「虐げられてきた人々」の「救世主」の如く
立ち振る舞い,それを喧伝する「安倍政権ベッタリ」の讀賣新聞

若手の弁護士諸君には,是非,考えてもらいたい。
「美談の裏側」に隠された諸問題を。

「参議院選挙の選挙期間中」という政治的背景だけの問題ではない。

第1,「美談の演出」によって,安倍首相の腹は痛まない。
 「訴訟不参加でも補償」で賄われるのは,すべて「国民の血税」なのだ。
 つまり,「国民の血税」の負担の上で,「安倍=救世主」の演出が施されている。

第2に,国=安倍政権は,「虐げられてきた人々」の救済を拒み続け,
 これまで,多数の「国の使用人」(指定代理人ら)を投入し,「冷たい」訴訟態度をとってきた。このような「冷酷な鬼」に「救世主の面(ツラ)」をさせるのは,いかがなものか。

第3に,「政府声明『判決に問題』」とは何事か!!?
  一番悪いのは,救済法整備を怠ってきた「安倍政権」である。
 『安倍政権に問題』! と書くべきところを 『判決に問題』! と言わせるはいかがなものか。
 政権=行政,それを支える立法府=自民・公明の問題を「司法」に非があるかのように置き換える,讀賣新聞は,どこまで「安倍ベッタリ」なのか!!?
 
第4に,これまで,「虐げられ」ながらも,裁判闘争に明け暮れてきた訴訟参加の「ハンセン氏病家族」の方々は,賠償金を受領しても,それ相応の弁護士報酬を負担することになるから,その分,賠償金額は,弁護士費用相当分が実質的に「減額」する。その反面,「訴訟不参加でも補償」となると,裁判闘争を回避し,裁判に協力せず,訴訟参加の「ハンセン氏病家族」の方々の方は,かえって,賠償額を減額されることなく「満額」受領することになるはずだ。
 これって,不平等ではないか? 
 安倍政権は,「訴訟不参加でも補償」というなら,勝訴判決を得た「ハンセン氏病家族」らが負担すべき弁護士費用についても,満額負担すべきであろう地方自治法242条の2第12項参照)。

 

(ちょっと自己宣伝)

私は,

あらゆる政党・政権とは「距離を置き」つつ,「是是非非で」対応しております。