北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

裁判員制度を「身近に」感じたいですか?

名古屋地裁の2階には,
素人向けに裁判員制度の概要を説明するパネルが置かれている。

「裁判全体に対する国民の理解」云々とあるが,
「裁判全体」(民事裁判を含む)ではなく,
刑事裁判のうちの重大犯罪
具体的には,人間が殺害され,死亡する等
被害者(遺族)にとっては地獄
加害者(被告人)にとっても地獄
のおどろおどろしい事件が殆どである

 

前掲パネルには,「裁判がより身近に」感じられる,と書かれているが,
人間の「心の闇」,「攻撃性・暴力性」等等を「より身近に」と書かないと,
欺瞞的な印象を受ける。

私は,刑事裁判は,本来,プロに任せるべき性格の事件であり,
「裁判員制度」に反対なので,
 裁判員裁判制度が開始された約10年前から,
 刑事弁護は,基本,受任を辞退することにしている。

ときにトラウマになりそうな,事件もあるし,・・・

 

「裁判員」の名付け親の「元ゼミ生」としては,不本意ではあるが。