北口雅章法律事務所

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「金与正の罵詈(バリ)罵倒(バトウ)」(対・文在寅)の背景にあるもの

後記報道によれば,

金与正(キム・ヨジョン)曰く

「(文在寅は)『平和は一朝にして来ない、曲がりくねって流れてもしまいには海へ向かう川水のように楽観的信念を持たなければならない、のろくても一歩ずつ進まなければならない。』と言いながら、特有の語法と話法で『気取り屋』のまねをしようと読む文の表現を整えるのにかなり手間をかけたようだが、現事態の本質をいったい知っているのかを問わざるを得ない」(朝鮮中央通信公式訳。以下同)

「看過できないのは、現事態に関連して,(文在寅が)『われわれ(北朝鮮)がくずの連中(脱北者団体)の対北ビラ散布と自分ら(韓国)を非難し、疎通を断絶して過去の対決時代に戻るかもしれないので(文在寅が)気掛り』だの、『(「南北」朝鮮,否,「北南」朝鮮・・と言い方を気をつけないと・・)疎通と協力で(両朝鮮間の)問題を解決していくことを願う』と力説したこと。」だとしながら、(文在寅が)「自分ら(韓国)が招いた事態の責任までもわれわれ(北朝鮮)に転嫁しようとするのは実に、ずうずうしくてごう慢不遜な行為だ」

文在寅が南北協力を訴えるたびに国際協調に言及するのは米国への屈従姿勢の産であり、そのような事大主義が南北合意の進展を阻んできた。」

「ところが、自分(文在寅)の手で自分の目を突く間抜けな呪文を一度や二度でもなく演説するたびに間違いなく我を忘れて唱えているのを見れば、見かけではまともに見える人が気がおかしくなったのではないかという心配がする。」

「…(文在寅は)まるで子供のように純真で希望に膨れた夢のようなことだけをしゃべり、偉そうなふり、正義に富むような振り、原則的であるようなふりをして、平和の使徒のように振る舞いを鼻持ちならないようにしているのだからその無様(ぶざま)を一人で見るのが惜しくてわが(北朝鮮)人民にも幾分知らせようとわたし(金与正)が今日また、言葉爆弾を爆発させるようになったのである

 

ジャーナリスト(高英起氏)の「ヨミ」は,

「長幼の序が重んじられる韓国で、若年者(金与正)からこうした悪罵を浴びせられた年長者(文在寅)がどのように感じるかを、金正恩氏ら兄妹が知らないはずはない。知っていて、わざとやっているのだ。」という。

 

そんな「単純な」問題であろうか?

(金正恩には,既に意思能力がなく),もちろん金与正は,(彼女の「言葉爆弾」に因って文在寅が心情的に激しく痛むことを)承知しているしかしながら,「平目官僚(イエスマン)」(家臣・下僕)らは,自らの「保身のため」「建前上」激越な「罵倒」=「言葉爆弾」を起案・作文せざるを得ない。金与正は,内心,「ちょっと,それは言い過ぎじゃない?」と思っても,そのような「弱み」を見せることができない。「男尊女卑」の北朝鮮社会では,そんな「平目官僚」(家臣・下僕)らに自らの「弱み」を見せれば,「だから『妹(女性)』は,兄の後継者として不適切なんだ。」などと家臣・下僕ら,ひいては奴隷的人民らに思われることになる。これでは,「女王様」の「カリスマ」が失われるであろう
 このため,金与正は,「官僚作文」に何も文句をつけない(文句をつけられない)。すると,(金与正の意を正確に忖度できない)「平目官僚」(家臣・下僕集団)らは,自分が起案した,激越な「罵倒」=「言葉爆弾」作文が「女王様」の「お眼鏡(おめがね)」に適ったものと勘違いする。バカな「平目官僚」であれば。そのため,「文在寅攻撃」の「言葉爆弾」は,次第にエスカレートしていく。

 これに対し,「平目官僚」が「賢い」人物だったらどうか。

 たとえ,金与正の「真意」(=誰かワタシを止めてよ!,文在寅よ,早くワタシの元へ飛んできて,涙を流して,跪き,「ごめんなさい。」と一言わびて頂戴よ!!)を察知していても,やはり自らの「保身のため」「建前上」激越な「罵倒」=「言葉爆弾」を起案・作文せざるを得ないのだ。この傾向は,―ウエーバー流にいえば―,封建的・家産的な」国家社会において「下僕官僚」が賢ければ賢いほど,「賢く」「女王様の外形的意思に沿う」方向に立ち回る傾向が強まるであろう。

 「北朝鮮」=「金与正」が,このような「絶望的な」苦況を脱するにはどうしたらいいか? このまま北朝鮮の「平目官僚」(家臣・下僕集団)らの手に委ねたままでは,「文在寅攻撃」の「言葉爆弾」をさらにエスカレートさせて,行き着くところまで行くしかないことになる。

はたからみるに,「落ち着きどころ」を冷静に見定めず,
互いが感情的な対立を激化させるのは,
日本国内でも,随所で,日常的に観察される「夫婦げんか」に似ている(特に,在日北朝鮮の方々には思い当たることが多々あるであろう。)。

思うに,世界平和のためには,
北朝鮮の「女王様」を怒らせて,「天岩戸(あまのいわと)」に閉じ込めてしまった「文在寅の方が」折れるしかない(その結果,韓国国内では彼は「自爆」することになるかもしれないが,世界からは「英雄視」されるであろう。)。「近親憎悪」で「凝り(Korea)」固まった状況(プラス北朝鮮経済の危機的状況)ものとで,第三者(アメリカ)が介入・仲裁することは,「中国共産党の覇権主義(利害)」と衝突するので,容易とは思われない。

「拉致被害者問題」を抱えた日本にできることは,何もない。
むしろ,北朝鮮が「自滅」するのを,静観して待つほかない,と思われる。

 

<参考にした出典>