北口雅章法律事務所

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「目指す国家観」は,どれもこれも,…

自民党総裁選に立候補している三者(菅・石破・岸田)が,
日本記者クラブ主催の討論会に臨み,
各々国是として「目指す国家観」をパネルをもって語った,
と各紙が報じていた。

いずれも「陳腐」ながら,政治に不可欠な理念であることは否定しない。
が,各候補者のこれまでの言動に照らすと,総論と各論との間に解離が認められ,各候補者の政策意欲の発露として,真に内在化されているようには受け取れないところが,各人の「不徳の致すところ」であろう。

 

「経済は格段に改善」? ウソつくな!

「自助,共助,公助」というのは,
自民党の綱領にもでてくる言葉だそうだが,
名君・上杉鷹山(旧米沢藩・現山形県)の「三助自助・ 互助・ 扶助)」の「受け売り」と思われるので,文句をつけにくい「縦割り行政,先例主義,既得権益の打破」も真に断行してもらえるなら,文句はつけられない「無難」に収めるズルさはさすがだ。

石破(バ)カ?

「自分の居場所がない方々が大勢いる。」という社会認識は正しいものと思う。
が,そのように感じる「大勢の方々」に,いきなり「居場所をもって頂き」って,何がいいたいんだ? 自助努力か? 政治家の役割は?
どういう政治手段・プロセスを経て,「新しい社会」を構築するのか?
石破氏の「国家観」は,「理念」倒れで,方策・プロセスの具体的・現実性を欠き,
巧言令色鮮し仁の典型例。

 

何がいいたいんだ?!

「論語と算盤(そろばん)」などと,
他人(渋沢栄一)の言葉でではなく,自分の言葉で政治理念を語れよ!
「倫理と利益の両立」とか,
「公益に資する持続可能な資本主義」といえばまだ解る。
先人の古典の本義を内在化せず,カビの生えたような比喩を使うな!
K君(国税庁長官)の義兄弟とのことゆえ,
バックに財務省がついているのであろうが,
今一つ,頼りなさそうな印象を受ける。
「格差や分断にしっかり向き合う」という理念は正しく,
今回の総裁選挙の結果はみえていても,将来的には,もうちとしっかりしてもらいたい。