北口雅章法律事務所

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「物議の少女像」;河村市長の撤去要求は理解できるが・・・。

津田大介監督の企画展「表現の不自由展・その後」で展示されていた,
韓国民の政治的主張従軍慰安婦」を象徴した少女像「平和の少女像」が,河村たかし名古屋市長の,大村秀章・愛知県知事に対する抗議を経て,撤去された

「公共の場所」「公衆の集合する場所」で(報道では展示場所が明らかにされていない。),「公衆に険悪の情を催させる」(軽犯罪法1条20号参照)ような「モノ」を,公共事業(開催事業費を愛知県・名古屋市等で負担)の中で,「露出」させることは,やはり適当とはいいがたく,撤去はやむをえないと思われる(大村知事は危機管理の立場から撤去やむなしと判断したようであるが。)。個人的には,このような作品に内在する「政治的主張」が「芸術」作品として「昇華」されているとは到底思われないが,作者がその「芸術性」をアピールする場を求めるならば,やはり「自費で」「個展」を開けばいいことだ。税金を扱う地方公共団体が,国民感情・市民感情を逆撫でし,これに著しく反する「モノ」を「芸術」として,間接的に支援することはやはり適切ではないと思われる。また,撤去措置が,憲法21条の「検閲(=全面的な事前抑制)」ではありえないことは自明だ。いくら「法律の素人」とはいえ,津田大介監督は,当局の措置が「検閲」に当たるなどと憲法を語りたければ,少しは憲法の勉強すべきであろう。ただ,一部芸術家や,思想的な芸術を社会運動(表現の自由)の一環として認めるべきだと主張する立場の方々からすれば,主催者側の名古屋市長が,「前面」に立って抗議することは,「芸術一般に対する無理解」と受け取られ,印象づけられて,なにかと誤解を受ける可能性があり,もう少し,アピール(抗議)の方法を工夫する余地があったかもしれない。

 

 品がない!!

戦前であれば,不敬罪の共犯者だぞ。