北口雅章法律事務所

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「裁判員制度」は,非常識な裁判官の「防波堤」か?

先般,令和2年6月16日,津地裁の裁判員裁判では,146キロの超高速度の自動車運転に際して,タクシー乗員・合計4名を死亡させた被告人(58歳・男性)について,裁判員ら(裁判長・柴田誠は,被告の危険性認識に疑問」ありとの理由で,危険運転と認めなかった。

 

しかし,「津市本町の片側3車線の直線道路」であれば,それなりに交通量のある一般道ではないのか? 

であれば,制限速度は最高でも時速70キロのはずではないか?。

 

現在の一般道路の法定速度は,原則,時速60キロであり,平成21年3月,「規制速度決定の在り方に関する調査研究検討委員会(委員長 太田 勝敏 東洋大学 国際地域学部 国際地域学科 教授)」の報告書を踏まえた,平成21年度(2009年度)警察庁通達に基づき,「10 km/hの範囲での補正」が認められていたとしても,時速70キロが許容限度である。

しかるに,制限速度70キロの一般道路で,その最高速の倍速以上(時速146キロ)で自動車を進行させた自動車運転者について,「進行を制御することが困難な高速度」(自動車運転死傷行為処罰法2条2号参照)についての「故意」がなかったとは考えにくい。

こんな「手ぬるい」裁判員裁判では,被害者4名の「霊魂」は浮かばれまい。
(私を「被害者側の」弁護士につけておけば,判決内容は,ちと変わったかもよ。)

(朝日新聞より)

 

現名古屋高検検事長は,「眞琴さん」の後任の中川清明検事長(前・公安調査庁長官)。
非常識な裁判員裁判に対し,控訴の方向で,「正義の」ご英断を!!!

 

※6月27日追記

流石(さすが),名古屋高検検事長!