弁護士のブログBlog
レオナルド・ダ・ヴィンチ作の絵画「サルバトール・ムンディ(救世主)」
が競売にかけられ,510億円で落札されたとのこと。
絵画としては,史上最高額の落札価格とのこと。
金銭では代え難い歴史的・文化的遺産であるが,
それにしても,「個人で」510億円もの大金を出すとは・・・
やはり世の中には,途方もないお金持ちがいるものだ。
(しかるべき博物館が落札したのであれば,その旨公表するであろうから,
盗難を恐れて? 公表されてないところをみると,購入者は個人であろう。)
日本では,510億円もの買い物などすると,
たちどころに,国税庁の「注目の的」になる。
まずは,きちんと所得税等を納税した上での「蓄財」が「原資」であるのか?
という問題である。
そして,国税庁の「熱い視線」は,相続の時点でも注がれるであろう。
それに,維持費(保管料・警備費・保険料等)も莫大に掛かりそうだ。
最近,“男のロマン” ゼロ戦を3億5000万円で購入し,
維持費(年間約2000万円)の負担から,手放すことを決意した方がいた。
今回の「サルバトール・ムンディ(救世主)」に比べ,
二ケタ違っていても・・・,だが。
・・・といった,下世話な話はさておき,
本ブログの標記ニュースを知って,まず思ったことは次の三点。
1.どこぞの美術館が,レオナルド・ダ・ヴィンチの真作と鑑定した
「サルバトール・ムンディ」の方は偽作ということになるのか?
2.池上英洋監修「ダ・ヴィンチ 全作品・全解剖」(PEN BOOKS)には,
「サルバトール・ムンディ」が出てこない!が,どうなってるのか?
→失礼しました。上掲・書籍の初版は2009年7月で,私が購入したのは,2010年10月発行の初版2刷で,本作品は,2011年にニューヨークで発見されたようなので,「全作品リスト」にあげられていないのも,やむをえないことでした。
3.イエスの右手は,「岩窟の聖母」にも出てくる「祝福の印」だとわかる。
では,イエスが左手に持つ水晶玉は何を意味するのか?
ダ・ヴィンチの作品の中で時折示される,「アナロギア(類似)」の思想(人体と宇宙とは同じ原理でできており,それゆえに似た形態を示すという)からすれば,天上界を象徴しているような気がするが。さて。