北口雅章法律事務所

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「角界(相撲業界)への重い重い一石」

標記「角界(相撲界)への重い重い一石」というタイトルを見て,
ピンと来た読者は,相撲界について,なかなかの識者(ツウ)だ。

実は,「角界への重い重い一石」というのは,
2010年(平成22年)2月2日朝日新聞の社説のタイトルで,
貴乃花親方(当時37歳)が大方の予想を覆し,
日本相撲協会の理事選に初立候補・初当選を果たした際,その意義について論じている。

正月,実家に戻った際,WADASUの亡オヤジが遺していた新聞記事等の切り抜き集をみていたら,入っていた。

同社説は,貴乃花理事誕生の背景に,
角会への危機感と『若い世代に相撲をもっと認知してもらいたい』という改革姿勢が支持されたためだろう。」
「力士学校の設立や普及,集客策の強化,行司・呼び出しら相撲を支える人々の待遇改善などに力を入れたいようだ。土俵の品格を重んじ,相撲界を盛り上げようという考えが根底にある。」
横綱朝青龍が初場所中に泥酔して,知人にけがを負わせた疑いが浮上している。品位の模範を示すべき立場であるにもかかわらず,また問題が起きた。これも理事選で変化を求めた人々の背中を押したに違いない。」
などと,朝日新聞は,貴乃花の改革姿勢に期待を寄せる。

そして,これに続く指摘が,

「今回,当選した他の理事(注)は,・・・・,大勢的には旧態依然

(注)

 朝青龍の騒動に象徴されるように,協会は問題への対応も遅く,身内に甘い。

力士暴行死事件を発端に2年前から加わった外部理事2人と監事の厳しい助言を受けているのが現状だ。」

を読んで,私のブログの読者の多くは,
アレレ・・??と思われたのではないだろうか?

「外部理事2人と監事の厳しい助言を受けているのが現状」とあるが,
外部理事の筆頭格として,「厳しい助言」をすべき立場にある
現在の外部理事,高野利雄・元名古屋高検検事長は,
当該役目を果たさず,腐った相撲界を腐らせているだけではないか?!!と。

朝日新聞の上記社説は,続けて述べる。

「大相撲を『興業』と割り切ってしまう考え方もあるかもしれない。
 しかし,これは日本古来の奉納相撲を起源とし,
 国技を名乗る公共財的な存在だ。
 何より,協会は税制面の優遇を受ける公益法人である。」
「角界は土俵際だ,と言われて久しい。
 貴乃花親方が投じた一石の意味を協会全体で受け止め,大相撲を磨き直す契機として欲しい。

と。

今回の日馬富士暴行事件と,それを契機に決起した貴乃花親方の態度から推察される現在の問題状況は,約8年前のそれと全く変わっていないし(むしろ,外部委員が『堕落』しているだけに,問題はより一層深刻でもある。),朝日新聞の上記社説の指摘も,驚くほどに現在の問題状況にも妥当する。

「大相撲」は,「ダーティ黒鵬」がその「鉄面皮(てつめんぴ)」を晒(さら)して「跋扈(ばっこ)」している限りは,相撲業界自体がこのまま「徳俵」を割り,沈没したとしても,何ら不思議はないし,その前に,「公益法人」としての「法人格」を剥奪するのが相当であろう。

追記
たしか,亡オヤジが,3代目若乃花(“お兄ちゃん”こと当時「若花田」)と
二代目貴乃花(当時「貴花田」)と三人で写った記念写真(額縁入り)が,
 実家にあったはずだが??と思いつつ探しても見つからないので,おかしいなと思ったら,
どうやら,ばーちゃんが捨ててしまったらしい。あーあ。
代わりに,先代・貴乃花親方とのツーショットのご披露でご勘弁。