北口雅章法律事務所

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「法隆寺と中宮寺」訪問の反省

名刹を訪問するに当たっては,当たり前の話だが,十分な時間を確保し,計画的に出向く必要がある。歴史文化に興味のある方であれば,終日「法隆寺と中宮寺」に居ても,飽くことはない(仏教美術の宝庫であるからだ。)。突如,「そうだ。法隆寺と中宮寺に行こう!」と思い立って,(日帰りを予定して)名古屋から電車で出向く場合,必然的に京都まで新幹線で出て,京都駅でJR奈良線に乗り換えて,奈良駅に到着する。そこから,大和路線に乗り換えて,JR法隆寺駅にて下車するのであるが,JR奈良駅で途中下車し,昼食等で時間を費消(浪費)してしまうと,たちまち時間不足に陥る。
 「法隆寺と中宮寺」を目的地とした場合,「お目当て」の仏像は,4軀
 法隆寺の①百済観音,②救世観音,③釈迦如来,そして,中宮寺の④半跏思惟像であるが,②の救世観音は「秘仏」であるので,常時公開されているわけではない。昨日は,偶々,「開扉期間(毎年4月11日~5月18日,10月22日~11月22日)」に当たり,拝顔できたが,これとて予め調べておく必要がある。
 また,時間が足りないときのためには,「お目当て」の仏像が鎮座まします大凡の位置関係を事前に把握しておくことが重要である。ルーブル美術館などはパンフレット掲載の案内図に,予め「お目当て」作品の所在が旅行客にも解るように工夫されていたかと思うが,法隆寺等の場合,市販の旅行案内や,寺のパンフレットを一見しただけでは,解りにくい。私自身,中宮寺が,法隆寺の東隣にあることは承知していたが,距離感覚はまったくなかったし,中宮寺の門が,法隆寺の東伽藍と門(西向きにある)を共通にし,その門を入った後,すぐに左折し,法隆寺東伽藍の中核にある「夢殿」の周囲をぐるりと回るように移動することで,地図上「夢殿」の東側に位置し,半跏思惟像が安置された,中宮寺本堂に到達することを知らなかった。

 

頭に入れておくべき,マップは,以下のとおり。

 

昨日,JR法隆寺駅に到着したときは,既に午後3時を回っていた。タクシーはなく,バスに乗ったとき,焦る頭の中は,一番の「お目当て」である中宮寺・半跏思惟像のことしかなかった。したがって,バス停「法隆寺前」の手前にある「中宮寺前」で降車して,スマホのGPS機能を頼りに,中宮寺へと急ぎ,法隆寺・東院伽藍を尻目に,中宮寺・本堂になんとかたどり着いた。
やれやれ,半跏思惟像を拝顔できた。

ところが,情けないことに法隆寺・東院伽藍には「夢殿」があり,かつ,その「夢殿」では,救世観音像の公開期間(開扉期間)中であることを知らなかったため,そこを素通りしてしまい,小走りで,法隆寺の五重塔・金堂に向かって直行してしまった。このため,「大宝蔵院」の宝物をじっくり鑑賞する暇もなく,再び,息を切らしつつ,東院伽藍に戻るハメになってしまった。「小学校の修学旅行」で出向いて以来の○十年ぶりの法隆寺であった。