北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

他人事とはいえない、新聞社の名誉毀損報道

産経新聞社が、名誉毀損記事(「逮捕」関連)を報道して、敗訴し、この件で、被害者(原告)と、代理人が司法記者クラブで記者会見をひらいた旨のニュースがネットに出ていた。
私も、「逮捕」関連記事のあり方をめぐって、(弁護団を組んで)中日新聞社を訴えており、年度内(来年3月まで)には、判決がでる方向性を確認したので、(まだ勝訴と決まったわけではないが、新聞記者が、裁判過程でも「逃げ隠れ」している状況に鑑み)記者会見を開く方針であるので、参考にしておきたい。

 

 

「22万円」・・・金額が本質的問題ではないとはいえ、認容額が低すぎる。
わたし個人は、「左巻き新聞社と異なる方向を向いている」産経新聞社のスタンス自体は支持しているので、産経新聞社自体を批判するつもりはないが、裁判所として、日刊紙の新聞報道記事について、名誉毀損を認める以上は、拡散による二次的被害の要素、制裁的・一般予防的な要素、報道機関の資金力等を考慮して、賠償額につき、20万円といった「お見舞金」程度の金額に低く認定すべきではないと考える。

 

(以上引用)

「裁判官の感度のなさ」に疑問を呈する代理人「弁護士の」コメントについては、私個人の認識としては、正当なものとは思われない。「朗報」、「天誅が下った」というのは、あくまでも社会活動に対する「評価」であって、被害者個人に対する人格的評価(侮辱)を含むものとはいえまい。

 

新聞社の報道体制に対する代理人「弁護士の」コメント(苦言)は、ごもっともなことである。私も、中日新聞社に対しては、同様の否定的感情を抱いており、記者会見の機会がもしあれば、「愛知県民・名古屋市民のために」ボロクソに批判してやりたい、と思っている。
中日新聞社よ、覚悟されたい。