北口雅章法律事務所

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医療過誤訴訟における、患者側弁護のお師匠の今

今から、30年前、大分弁護士会での司法研修で、医療過誤訴訟の患者側弁護の手ほどきを受けた徳田靖之先生が、またまた出てるがな。随分とお年をめされたようだ。だが、能力と社会的パワーは衰えを全く感じさせない。「飯塚事件」は、森英介法務大臣の執行命令で、既に死刑が執行(2008年10月24日)されているので、再審無罪となると、その反面で、国家的犯罪が確定し、えらいことになる。

 

再審無罪ともなれば、本来であれば、確定審で死刑宣告に関与した、裁判官らの資質と能力が問われるところだが、ウィキペディア(Wikipedia)を見ると、愕然とする。福岡高裁第2刑事部の小出錞一裁判長は、退官前、名古屋高裁刑事一部の部総括で、名張毒ブドウ酒事件で、再審開始決定をくだした「良識の」裁判官であるし(地元・旭丘高校の先輩でもある。)、最高裁に至っては、「最高裁判所第二小法廷(滝井繁男裁判長は、2006年(平成18年)9月8日、『被告人が犯人であることについては合理的疑いを超えた高度の蓋然性がある』として、5裁判官(滝井・津野修・今井功・中川了滋・古田佑紀)全員一致の意見で上告を棄却した」とされている。滝井繁男裁判長こそ、弁護士出身の「良識ある」裁判官として著名である。
ということは、当時の福岡県警の捜査官がいかに悪質で、福岡地検の検事らがいかに無能(あるいは、「有能な」背徳者)であったかが、思い知らされる。