弁護士のブログBlog
「自分がしなかったこと」
- 2024-12-18
讀賣新聞のコラムニストは、
<私たちは、自分がしなかったことを、大いに誇るべきではないか>
というルーマニアの作家の言葉(山田太一引用)に賛同し、
「あれもしなかった、これもしなかったと嘆くのではなく、しなくてよかったことをさがす年の瀬の迎え方もありそうだ。」という。
しかし、残念ながら、私としては、この一年間は、常に「何か」に「追い立てられる」ように、常に「何か」はしてきた。弁護士の活動は、職業的な業務も私生活も、「やるべきこと」の選択肢が常に複数あり、優先順位の高いもの(期限のあるもの)を、常に手掛けているのあって、「何もしない」という選択肢はない。
したがって、私のようなタイプの弁護士は、「しなかった」=「怠慢」であって、
「(意図的に)しなかった」ことは何もないし、あらゆることは、「しなかったこと」ではなく、「できなかったこと」という方が正しい。
今年も残りわずか。これから年内に「しなければならないこと」でカレンダーを塗りつぶしていくと、「ああ、今年もできなかったか」と嘆くことばかりだ。
・・・と、書きかけて、はたと気づくことがあった。
前言を翻すようであるが、そういえば、
「(意図的に)しなかった」ことが、実は一つだけあった。
衆議院議員の立候補を熱心に誘ってくださった著名人がみえたが(比例区だったが)、堅く固辞した。
私は政治家には向いていないので、固辞しておいて本当によかった。固辞することに、迷いはなかったが。
とはいえ、本職の方はどうか…?
「ああ、お前は何をしてきたのだと…
吹き来る風が私に云ふ」(中原中也)