北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

名古屋地方裁判所の警戒態勢について

このほど,7月から,名古屋地方裁判所では,東京地裁と同様,
地裁建物への入場者一般を対象に,「金属探知機等を用いた所持品検査」が開始された。
このため,弁護士も,身分証の呈示をしないと一般市民と同様の扱いとなることから,
裁判所に所用があるときなど,入庁のとき,所持品検査を省略するためには,
弁護士バッチを携帯して出向かざるをえないことになった。
しかも,従来,私が通用出入口としていた「東口」も閉鎖,「北口」も出口専用で,
「正面=南口」からしか,入場(入庁)できないことになった。

なんと,鬱陶(うっとお)しいことか。
何故,弁護士会は強く反対しなかったのか?
よくわからない。

東京地裁の場合は,手荷物検査が必要であろうことは理解できなくもない。
オウム真理教の刑事裁判が華やかなりし頃は,法廷内外で物騒なことが起こりえたであろうし,刑事裁判に限らず,東京では,政治色の強い行政裁判や,利害が先鋭に対立する事件が少なくないであろう。

私の大学時代の友人にして,東京地裁の労働集中部の部総括を長く務めたY判事は,
昨年,大学の同窓会(クラス会)で久しぶりにあったとき,「労働者側・使用者側どちら側を勝たせても,負けた方から,強烈な非難を浴びる。」,「ビラをまかれて困る。」と泣いていた(同窓会の日,彼の方から,大学卒業の日に,2人で飲みにいったときの思い出話を語られ,忘れていたら,怒られた。が,後ですぐに思い出した!。忘れていてゴメンね。会計学の講義では,いつも隣で聴講していたことは覚えているのだが・・・。)。

ネットをみたら,「卒業式等で『君が代』斉唱の拒否を理由に,教員の再雇用を拒否した東京都教育委員会に賠償命令をくだしたこと」について,彼が『国賊』呼ばわりされている! また,「君を開発したい」と生徒に,性的なエロメールを送信して,懲戒免職となった男性教諭の処分が重すぎると判示したことも『国賊』呼ばわりの理由の一つに挙げられている。

他方,「東京メトロ駅売店の非正規労働者でつくる全国一般東京東部労組メトロコマース支部が正社員との賃金差別をなくすために起こした労働契約法20条裁判」では,「組合員の請求の大半を棄却し、非正規労働者への差別を容認する不当判決を言い渡した。東部労組とメトロコマース支部は満身の怒りをもって徹底的に弾劾する。」などという抗議声明がネットに出ている。

彼の判断は,いずれも穏当なものだと思うのだが・・・,労働部の裁判官は非常に辛い。ご愁傷様です。

これに対し,名古屋地裁は,今頃になって,そんな警戒態勢をとる必要のあるような裁判や,訴訟当事者間や,対裁判所関係で険悪な雰囲気となるような,社会状況があるといえるであろうか? 

昔,名古屋刑務所事件の審理が華やかなりしとき,私が弁護していた刑務官たちが語ったことで記憶にあるのは,「先生,裁判所内,って『真っ黒』ですね。」というのがある。われわれ一般人の目にはわからないが,「刑務官の目」からみると,「服役経験のある」「極道」が裁判所庁内を多人数うろちょろしている,ということらしい(おそらく,組関係者の刑事裁判の傍聴が目的であろう。)。が,名古屋地裁の建物内で,物騒な紛議が起きたという話は,未だ聞いたことがない。名古屋家裁の方では,仄聞(そくぶん)したことがないではないが。

名古屋地裁でも,「ナイフ,カッター,ハサミ等の危険物」を持参してきて,
裁判官等に危害を加えかねない輩が増えてきて,「裁判所職員」の安全・安心が保持できない程度に,世の中が物騒になったということか?
だったら,名古屋家裁の建物(東京家裁とは異なり,名古屋地裁とは別棟)の方は,どうなんだよ? とも思うが・・・。