北口雅章法律事務所

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「憲法改正」の基本的視座

中学校の公民の教科書に出てくることで恐縮であるが,
「憲法」に関する一般常識について,
ブログ読者の方々の前で,復習させていただきたい。

安倍政権下で「危険な動き」が認められるが故に。

わが日本国憲法は,
①国民主権(民主主義)
②基本的人権の尊重,及び
③平和主義
三大原則とする最高法規である。

そして,日本国憲法は,
立法府(国会・国会議員)や行政府(内閣・内閣総理大臣)が
上記三大原則に違反しないように
法律を枠づける「絶対的な」「縛り(約束事)」であり,
これら基本原則を破ろうとする
立法府(国会・議会多数派)や行政府(内閣,自民党政権)
の前に立ちはだかる「壁」(最高法規)である。

これに対し
政府与党(安倍政権)が,
「憲法改正」に乗り出した,ということは,
これまでの憲法の基本原則に由来する「縛り(約束事)」や「壁」
具体的には,
①国民主権(民主主義)はともかく,
②基本的人権(平和的生存権)尊重「壁」,あるいは,
③平和主義護(まも)ってきた「壁」
のいずれかに関わる何らかの局面で,

その基本原則=壁を「取っ払う」か,

その基本原則=壁に「穴を開ける」か,

その基本原則=壁を「脆弱化させる(なし崩しにする)」

ということである。

政府が,「憲法改正」を語るとき,
何故,今,いかなる「目的」のために「改正」する必要があるのか?
そして,
「憲法改正」によって,何をを実現したい(=どんな「法律」=「手段」をつくりたい)のか?

安倍政権に明確に語らせる必要がある。

「平和のための戦争」

  というのは,「背理」であろう。

「自衛のための戦争」はどうか。

それだけであれば,
「憲法改正」によらずとも,実現できるはずだ。

他にやりたい「何か」(狙い)が必ずあるはずだ。

「祖父(岸信介)の亡霊」に取り憑(つ)かれた「個人的・情緒的な」悲願によって,
平和憲法を破壊させてはならない。

 

<関連ブログ>

「安倍首相 『憲法9条に文民統制を明記する』」だとぉ??」
https://www.kitaguchilaw.jp/blog/?p=556