先日立ち寄った「奈良ホテル」には，１９２２年１２月１７日から２泊，アインシュタインが宿泊したときに弾いたとされるピアノが置かれている。

　だからどうなの？という話ではあるが，終戦時，ＧＨＱによる接収を免れるため，旧国鉄大阪鉄道管理局舎に隠してあったところ，１９９２年，その局舎の解体時にそのピアノが発見され，次いで，２００８年（平成２０年），アインシュタインとともに映された写真から，大阪ホテルに置かれてあったピアノと確認された，とのこと。

奈良ホテルは，三島由紀夫の小説にも登場するらしい。
「豊穣の海」は，読んだはずだが，覚えていない。

「窓外からは，猿沢の池の蛙の声しか聞こえぬ静かな奈良ホテルの一室で，机上に重ねた訴訟書類にもとうとう手をつけず，本多は物思いに耽りながら，眠られぬ夜をすごした。」（「豊穣の海」奔馬）