北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

「善人」は,「法律家(弁護士)」には向かない?

昔,学生時代,亡・竹内昭夫教授(商法)の講義で,
「善人」では,「法律家」は務まらないという話を聞いたことがある。

曰く。ある種の行為を法で規制しようとすると,必ず「脱法行為」をしようする者がでてくる。
だから,法律家は,あらゆる「脱法」を防ぐことができるように,規制立法を作る必要がある。
このためには,立法に際して,「悪い人間」(ワル)が考えつくレベルの「脱法手段」について普く想像力を働かせ,それ(脱法手段)を思いつき,かつ,同時に,それを防ぐための法的手立てを思いつくだけの頭脳が必要となる。この意味で,「善人」では,「法律家」は務まらない,と。

最近,通信手段,情報手段,交通手段等が高度化してくると,
それに伴って,不倫・不貞の見破り方も巧妙化(高度化)してくる。
このため,カミさんに,不倫・不貞がバレそうになって,
カミさんから追及され,窮地に追い込まれた男性諸君からの相談もチラホラある。

そこで,相談を受けた弁護士としては,「家庭」と「夫婦円満」を護るために,
相手(カミさん)の追及をかわすべく,巧妙な「ウソの」弁解を指南してやる必要がある(こともある)。この意味でも,「法律家(弁護士)」は,「善人」では務まらない。

ちなみに,医療訴訟を手掛ける病院側の弁護士は,
平然と病院・医師のウソに付き合う。
この意味で,弁護士は,あらゆる訴訟で「清濁あわせ呑む」ことが要求される。