北口雅章法律事務所

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切迫感・危機感を欠く 「札幌弁護士会の声明・意見書」

「法曹志望者の危機的激減」を背景に,中央教育審議会・特別委員会( 座長・井上正仁・東大名誉教授が打ち出した改革案( 「特別委員会3月とりまとめ」 )に対し,札幌弁護士会が, 改革としての切迫感もなく,検討として不十分である」と批判している。中央教育審議会の改革案は,「法曹志望者の危機的激減」の原因について,「時間的・経済的負担の一面」のみを検討しており,「提唱された法曹コースの創設」では,法曹志望者の回復につながらない,というのがその批判の理由だ。

  

 札幌弁護士会が,井上座長の「保身」に資するだけの「お茶を濁した」,「的外れな」中央教育審議会の改革案に異論を唱えたこと自体については,敬意を表する。

 しかしながら,札幌弁護士会の上記「声明・意見」自体も!, 「法曹志望者の危機的激減」の根本原因を「法科大学院制度自体の構造的欠陥」に求めず,「法科大学院制度の維持・存続」を大前提に議論していることにおいて(前掲・引用部分のうちの赤色点線部分), 「法曹志望者の危機的激減」に対する「切迫感」,「危機意識」が欠落しているとの批判をまぬがれまい。

 

※あわせて,読んでください。

 わがブログ:『法科大学院のディレンマ』 https://www.kitaguchilaw.jp/blog/?p=2445

  〈注:キーワード「法科大学院」×「デイレンマ」を掛けて検索すると出てきます。〉