北口雅章法律事務所

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前代未聞?「常徳」のはずが「不徳」の致すところ

真宗大谷派の古刹「常徳寺」(愛知県安西市)
本堂・境内所有地が税金滞納のため,
名古屋国税局から差押えを受けた。

公売の最低価格も3823万円で,既に入札が行われ,
新型コロナウイルスの影響で,開札日が延期されているもよう。
寺院は,アンタッチャブルな“ 聖域 ”と思っていたが,
必ずしもそうではないらしい。
さすがに御本尊(阿弥陀如来像)は,差押を免れているであろうが(国税徴収法第75条第1項7号の「礼拝又は祭祀に直接供するため欠くことができない物」)

朝日新聞によれば,
住職は否認しているが,寺院の資金を私的流用したことを理由に,
源泉所得税・重加算税の合計約480万円を滞納らしい。
そして,檀家にはひた隠しにしていたが,
ある日,突如,寺の駐車場が,民間の貸駐車場に変わったので,
おかしいと思った檀家から指摘を受けて発覚したもよう。
多分,内部告発だろうが,
住職としては,わずか480万円くらいの金銭であれば,
グダグダいう前に,とっとと払った上で,
税務訴訟でもやったらどうなんだ。
「国税に勝てる」見込みがあるならば,弁護士費用は「お値打ち」にしますよ。

ちなみに,僧侶が「会計」を握るとろくなことはない。伝承によれば,「ユダ」も,イエスに信頼されて教団の会計係を務めていたが,しばしば横領をはたらいていたとのこと。

親鸞上人も,罰当たりな現住職の「不徳」につき,「極楽浄土」で嘆かれているに違いない。