北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

「戦争責任の中心の所在」について

―(問)貴方は戦争責任の中心がどこにあるとお考えですか。

 

(答)「過去を知らぬものはそれを繰り返す運命にある』とサンタヤーナは言っています。われわれの経験を繰り返さぬためにこそ,誰がどの時点で過失を冒したかを確定することが必要と存じます。nüchternな[醒めた]態度で追及されねばなりません。

というのが故・丸山眞男教授の回答(「丸山眞男集・第16巻」岩波書店)だ。政治学者は,個人攻撃をしないし,イデオロギー的な態度を表明しないものだ,とつくづく思う。

これに対し,

答えになっていないではないか!,と思うあなた。そして,

何故,質問者は,『太平洋戦争の戦争責任の中心が・・・』と聞かなかったかのか,と思うあなた。

そのような聞き方をすれば,丸山先生は,質問者に質問内容を前記(問)のとおり変更させたか,それを変更しなければ回答を拒否した可能性が高いと思う。

しかしながら,

医療過誤訴訟における裁判の場では,「医療事故責任の中心がどこにあるのか」の問いは,どこまでも具体的に客観的にnüchternな[醒めた]態度で追及されなければならない。