北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

皇室が絶対にやってはいけないこと

私は,これまで,KK問題について,日本国憲法の「象徴天皇制」を擁護する立場から,K家に対する批判的なブログ投稿を,多数,アップしてきた。ところが,今般,先輩弁護士らの忠告もあり,ある事情から不本意ながら,先のブログ投稿は,すべて非公開とした。

しかし,M内親王の結婚に向けた決意が確固たるもので,もはや「後戻りのための黄金の橋」を顧みないことが確定した今となっては,下々の平民が何を言っても無意味だと思うが,今回の件については,いろいろな意味で,やはり宮内庁長官の責任は免れないと思う。

「象徴天皇制(皇室)」の将来を考えるならば,
もし週刊誌等のメディアで報道されていることが事実であるならば,という仮定のもとではあるが
たとえM内親王が,「皇籍を離脱」するにしても,皇室が絶対的に避けなければならない係累との婚姻ではなかったか,と思われるからだ。

その理由は,
もし週刊誌等のメディアで報道されていることが事実であるならば,という仮定のもとではあるが
内親王の「義母」となる人物が,「複数の反社会的行為」を行っていることが疑われており,それら嫌疑について,何らの説明もなく,「義母」となる人物も,K氏(婚約者)も逃げ回っている関係で,その嫌疑が晴れていないこと(同人を「告発」することを宣言している者もいる),
もとより「複数の反社会的行為」が重なれば,その人物自身が「反社会的」だとみなされる可能性があり,婚約者であるK氏も,無関係ではありえず,そのような人物らと婚姻・姻族関係をもち,同居・共同生活に至るとなれば,「皇室」そのものに,深刻な悪影響が及び(イメージダウンにつながる)将来にわたって,日本国・日本国民にとっても「禍根」を残すことが,強く懸念されるからだ。

このような事態に至ることを,「身を挺して」阻止することこそが,宮内庁(長官)の職責ではなかったのか!!?

 

宮内庁法(昭和二十二年法律第七十号)

第一条  内閣府に、内閣総理大臣の管理に属する機関として、宮内庁を置く。
2  (略)
第二条  宮内庁の所掌事務は、次のとおりとする。
一  皇室制度の調査に関すること。
七  皇族に関すること。
九  交際に関すること。

 

私が考えていたことに,かなり近いことを述べている報道記事が出ていたので,覚書として全文引用しておこう。元朝日新聞記者というところが引っ掛かるが,内容的には,正論だと思う。宮内庁長官は,即刻「クビ」にすべきでないか

「宮内庁『亡国の危機管理』とは」
(ノンフィクションライター 窪田順生)
 10/7(木) 6:01配信

● 宮内庁の発表は「火に油を注いだ」どころではない理由

 10月1日、宮内庁は、秋篠宮家の長女、眞子さまが「複雑性PTSD」(複雑性心的外傷後ストレス障害)と診断される状況だということを公表した。 小室圭さんと今月26日に結婚することを明かし、「なぜこのタイミングに結婚するのか」という説明の中で、心の病について言及されたのである。小室家の金銭トラブル問題もあって、結婚の時期はこれまで慎重に検討されてきた。しかし、眞子さまが、ご自身や家族らに向けられる誹謗中傷にもはや耐えられないというところまで追いつめられ、「本人の好きなようにやらせてあげる」ということが最善の治療ということで、今回の結婚が決定したという。

 しかし、このPTSD公表は批判も受けている。『眞子さまの複雑性PTSD公表、狙いが『批判封殺」なら逆効果に(JBプレス)』では、体のいい言論封殺ではないかと言っているし、『宮内庁の策は、火に油を注いでしまった」眞子さまの結婚と「複雑性PTSD」公表の全内幕(アエラdot.)』でも反発する意見を紹介している。

 確かに、結婚のタイミングについては、小室さんの就職が決まったからなど、いくらでも説明できたはずで、病を持ち出す理由はない。宮内庁は「明かす必要のない事実をわざわざ言って事態を悪化させる」という危機管理のミスを犯した、という指摘も多いのだ。 ただ、今回の宮内庁がやったことは「火に油」や「逆効果」程度で片付けられるような失態ではない。おめでたい話にみそを付けただけではなく、アメリカで新生活を送る「小室眞子さん」という一般女性の幸せと穏やかな日常を危険に晒してしまった。そして何よりも、皇室の信用を大きく失墜させるなど、日本を危機に晒した。
 これは「亡国の危機管理」といってもいいほど罪深いものなのだ。

● PTSD公表が誘発した3つの危機

 「ずいぶん厳しいじゃないか」と驚く方もいるだろうが、筆者の説明を聞けばそれが大げさではないことがわかっていただけるはずだ。実は眞子さまのPTSD公表は、次の3つの「危機」を新たに誘発したのだ。
(1)世界中のメディア・諜報機関に眞子さまを「協力者」に仕立てる方法を教えた
(2)来月から一般人として生活する女性の「病歴」を世界に公表した
(3)「皇族もメンタルヘルスに問題を抱えたら自由を得られる」という前例を世に示した
 まず、(1)について説明しよう。
『眞子さま、小室圭さんと「年内結婚」で日本人が覚悟すべき3つのリスク』で詳しく解説したが、これからアメリカで暮らす眞子さまは、さまざまな国の諜報機関から標的にされる可能性が高い。海外ではロイヤルファミリー、特に王室から離脱した人は国家間の諜報戦に巻き込まれるケースが多い。その国の「弱み」を握るために、表に出ない国の体制や王室メンバーの情報を吸い上げるための「協力者」とされるのが一般的なのだ。例えば、チャールズ皇太子と離婚したダイアナ妃や、クアラルンプール国際空港で暗殺された金正男氏の周囲に、米NSA(アメリカ国家安全保障局)やCIA(中央情報局)が暗躍していたと言われる。

● 元ロイヤルファミリーが機密情報を漏らしてしまう理由

 ではなぜ元ロイヤルファミリーが、自国の秘密を漏らすようなことをしてしまうのかというと、ほとんどのケースでご本人たちには悪気はない。スキャンダルを握って脅迫されるというようなケースもなくはないが、多くの元ロイヤルファミリーは諜報機関の人間を心から信頼して、自ら進んで機密情報を流すのだ。「そんなことができるのか」と思うかもしれないが、これは諜報機関のみならず、メディアでもよく使う極めてポピュラーな情報入手テクニックである。例えば、英大衆紙「ニューズ・オブ・ザ・ワールド」が、英国王室関係者を盗聴するという事件が起きた。では、なぜそんな重要人物の電話番号が入手できたのかというと、同紙の記者が裁判で明かしたことによれば、故ダイアナ元妃が王族やスタッフの部外秘の電話番号が載っている通称「グリーンブック」という機密情報を流していたからだ。報道によると、被告は法廷でこう証言したという。「ダイアナ元妃は夫のために働いている人々や王室の規模がどれほどのものか見てほしいと考えていた」,「元妃は夫の周辺の人々から強い圧力を受けていると感じ、夫とやり合ってくれる仲間を探していた」 世間から叩かれ、周囲から敵意を向けられた人が「理解者」や「味方」を欲するというのは、一般人であろうとロイヤルファミリーであろうと変わらない。諜報機関の人間は、その不安、孤独、ストレスにつけ込んで、信頼関係を築き、欲しい情報を引き出すのである。ここまで言えば、筆者が何を言いたいかわかっていただけるのではないか。

 眞子さまは、日本という国の根幹にある天皇家に連なる女性だ。公にされていない儀式、皇室内部の情報など、日本の国民でさえ知らない情報をたくさんご存じだ。日本と利害関係のある国が、眞子さまを「協力者」に仕立て上げれば、日本にプレッシャーをかけるスキャンダルや内部情報も引き出すこともできる。

● 眞子さまの危険をさらに高めた

 アメリカ移住でこのリスクがさらに高まっている中で、宮内庁はのんきに眞子さまのPTSDを全世界に公表した。不安や孤独につけ込みたい者たちにとって、これ以上のナイスアシストはない。 例えば、眞子さまが受けたという「誹謗中傷」を批判するような立場で接近して、信頼を勝ち得るというやり方もあるだろう。また、眞子さまが生活するコミュニティ内に、意図的に日本で叩かれているような情報を流して、孤立させたところで、救いの手を差し伸べるというようなやり方も考えられる。
 海外ではそんな人でなしはいない、と思うのは日本人の感覚であって、生き馬の目を抜く国際インテリジェンスの世界では、どんな手段を使ってでも、自国が有利になるような情報を抜き出すものだ。「眞子さまも一般人になったからそっとしておいてあげよう」なんて思いやりを期待する方が間違いだ。宮内庁は今回の公表で、ただでさえ工作活動のターゲットになっている眞子さまの危険をさらに高めたのだ。「平和ボケ」で済まされる話ではない。

● 一般人になる方の病歴を公表する危うさ

 そして、筆者がもうひとつ責任が重いと感じるのは、(2)の「一般人の病歴を公表した」ということだ。
 皇后雅子さまの「適応障害」のように、ご公務をずっと休まれている皇族の方に対して、一部の国民から誹謗中傷があったので、それを抑えるために心の病を公表するというのはよく理解できる。しかし、眞子さまはアメリカで一般人の小室眞子さんとして生活をするのだから、わざわざ「PTSD」を公表する大義はない。むしろ、マイナスの方が大きい。
自分の立場で想像していただきたい。新天地で新たな人間関係を築こうという中で、わざわざ自分のメンタルヘルスの問題を伝えるだろうか。大坂なおみさんや、メーガン妃のように、自分自身の心の傷を公表することで、同じ悩みを持つ人々を勇気づけたいとか、世界を変えたいという思いを、眞子さまが持っていらっしゃるのなら別だ。しかし、一般人として穏やかな毎日を送っていこうという人にとって、病歴の公表は足を引っ張ることにしかならず、プライバシーの侵害にしかならない。

● もし悠仁さまのお相手が受け入れ難いものだった場合

 そして、最後の(3)の「前例をつくった」という点だが、これを理解していただくには、たとえ話で説明したい。近い将来、皇室に次のようなことが起きたと想像してほしい。
 立派な成人男性に成長した秋篠宮家の長男、悠仁さまが、留学先で外国人女性と恋に落ちたとする。これまで男性皇族はオックスフォード大など海外留学をしているのでまったくありえない話ではない。実際、ご両親も学生時代に出会っているし、姉の眞子さまもキャンパスで伴侶を見つけた。では、この悠仁さまの「国際結婚」が国民から即座に祝福されるかというと、かなり厳しいものがあるだろう。保守的な方たちからすれば、皇位継承順位第2位の悠仁さまのお相手が、外国人というのは正直受け入れ難いだろう。もし仮に、お相手が中国人や韓国人だったら激しい反対運動も起きるかもしれない。
 では、そのように「国民の祝福が少ない」ということを受けて、悠仁さまはこの結婚をあきらめるか。「きっとご自身の立場を考えて、気持ちを改めてくれるはず」と思う人もいるだろうが、筆者はそう思わない。おそらく、悠仁さまはどんなに世間から批判・反対されても、この恋を貫くのではないか。姉、眞子さまがそのスタイルで結婚したことを「学習」されているからだ。
 何人かの子どもを持つ親ならばわかると思うが、「姉だけを特別扱い」みたいな子育てはトラブルの元だ。兄や姉にやらせてあげたことは、弟や妹にもやらせてあげないと親子関係はおかしくなる。「お姉ちゃんばっかり大事にされた」とグレる場合もある。眞子さまができたことは、佳子もさまもやりたいし、悠仁さまも真似をする。姉弟というのはそういうものだ。しかし、そこで日本政府も我々国民も、この「国際結婚」を反対できない。メンタルヘルスに悪影響が出そうな時、ご本人の意思を尊重したという「前例」を全世界に公表しているからだ。「悠仁さまは皇位継承順位第2位なので、眞子さまの時とはワケが違う」なんて理屈を持ち出したら、国際社会から冷ややかな目で見られる。男女平等は常識で、ヘンリー王子も王室から離脱して、ネットフリックスでドキュメンタリーに出演する時代だ。「個人の自由を握り潰す国」というイメージが広まってしまう恐れもある。
 結婚決定の背景など伏せておけばいいものを、わざわざ「心の病」を引っ張り出したことで結果として、自分たちの首を締めるような「前例」をつくってしまったのだ。

● 皇室が自由になる=現行の天皇・皇室制度の否定

 「デイリー新潮」(9月15日)は、秋篠宮妃紀子さまと口論をした佳子さまが「私たちは籠の鳥」というようなことをおっしゃったと報じている。それは決して大げさな話ではなく、日本の天皇・皇室の皆さま方は、「日本国民のため」に「人権」を制約されている、という動かし難い現実がある。自分で車を運転して、外出できるようなイギリス王室メンバーとは明らかに違うのだ。
 だから、心を病みやすい。そんな日本の皇室の方が、国民よりも自分の幸せを優先して、自由に生きられるようになっていく、ということは喜ばしいことだが、それは裏を返せば、現行の天皇・皇室という制度を否定することでもあるのだ。このようなセンシティブな議論をすっとばして、宮内庁は「眞子さまの結婚の決定打はPTSD」などと公表した。これから結婚が控える皇室メンバーや天皇制を「守る」意識が少しでもあれば、こんな軽率なことはできないはずだ。
 筆者は報道対策アドバイザーとして、これまで多くの企業のリスクコミュニケーションにアドバイスをしてきたが、もっとも多く目にするのが、「守る対象を間違える」という失敗パターンだ。経営幹部や広報部員たちは、とにかく社長を守ろうとする。社長に恥をかかせないよう、批判されないように、その場しのぎの回答を用意する。それで会見の席上の社長は守れるが、それが嘘であったりすることが発覚して、企業のイメージや信用を大きく失墜してしまう。つまり、社長を守ることに頭がいっぱいで、会社が守れないのだ。
 今回の宮内庁も同じ罠に陥っている。結婚に踏み切る眞子さまへの批判を和らげたい。それを認めた秋篠宮家を守りたい。そのような目先のことで思いで頭がいっぱいになって、眞子さまの一般人になってからの生活や安全、そして皇室を守れていない。公表すべきは、眞子さまの「病」ではなく、小室母子の金銭トラブル解決に向けた進捗だ。ここまで大きな騒ぎになって、なぜ相手と向き合わないのか。直接話せない事情でもあるのか。結婚前にそれを公表すべきだ。
 スキャンダルで炎上する企業も、「なぜマスコミはこんなに叩くのだ」とよく逆ギレする。宮内庁も、なんでもかんでも「誹謗中傷」で片付けるのではなく、なぜここまで国民に祝福されないのかということを真摯に受け止め、皇室と眞子さまを守るリスクコミュニケーションをすべきではないか。(ノンフィクションライター 窪田順生)