北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

「名古屋市長の御前会議」で使う部屋

名古屋市政の運営に関わる行政裁判において,市長との協議や,市長への説明が必要となる場合,関係部署の局長ともども,市長室での説明が求められる場合がある。
私も,何回か市長室への入室を認められたことがある。

名古屋市長室は,大広間で,市長の机の前に,
大きな応接テーブルを取り囲むように椅子がおかれている。

(出典)http://teramatiisejosai.travel.coocan.jp/nagoyasiyakusho.html 

 

河村市長の応接テーブルの上には,
「誰の趣味か?」知らんが,「オオトカゲ」が居る。

 

昔,私が弁護士になって5年目の頃,
名古屋市長が西尾市長だった時代,名古屋市が住民訴訟(第1審)で負けて,西尾市長個人に対する10億円の損害賠償請求が認容されたことがある(その後,最高裁で逆転し,全面棄却。)。この関係で,私は,控訴審から訴訟代理を受任すべく,石原ボスに連れられて,西尾前市長に挨拶するため,名古屋市役所に出向いた思い出がある。

だが,このときは,対応が違っていた。
すなわち,このときは,石原ボスも私も上掲・市長室には通されず,その「北隣の暗い会議室」に通された覚えだ。河村市長になってからは,いつも上掲市長室に通されていたので,何故だったのかなぁ?と,長年,疑問に思ってきたところであったが,先日,疑問が解けた。

先日,あいちトリエンナーレ実行委員会(大村知事が会長)との裁判で,河村市長と打合せをしたときは,超久しぶりに「北隣の暗い会議室」に通された。そして,20年以上も昔に,西尾市長に挨拶した部屋が,この会議室であったことを思い起こした。

翻って考えると,今でこそ,住民訴訟制度は,西尾さん個人を訴えることができず,西尾名古屋市長を被告として訴える制度になったが,平成16年地方自治法改正の前までは,住民訴訟は,西尾市長を訴えるのではなく,「西尾さん個人」(私人)を訴えることができるシステムだったのだ。したがって,厳格には,前記訴訟の場合は,西尾さん個人から委任を受けるのであって,西尾市長ないし名古屋市から委任を受けるわけではなかったため,西尾前市長としては,「公私混同」を避けるべく,「市長室の私用」を避けたに違いないと思った。