北口雅章法律事務所

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山形大学(国立大学法人)の労使紛争をめぐる最高裁判決

このほど,山形大学(国立大学法人)の労使紛争をめぐって,最高裁判決(令和4年3月18日)が出た。

労使間の団体交渉が絶望的に決裂した状況のもとで,山形大学当局が,一方的に,教職員の昇給抑制,賃下げを断行した。そこで,怒った労働組合が,山形県労働委員会に対し救済命令の申立てをしたところ,同労働委員会は,大学当局に対し,「誠実に団体交渉に応じろ」という救済命令を出した。
 ところが,山形大学当局が,山形県を被告として提訴した。「無理なものは無理だ。団体交渉しても無駄だから,救済命令は違法無効である。」と。

最近は,最高裁が口頭弁論を開く事件(≒原判決を破棄する事件)については,

最高裁(広報課)が,「事案の概要」と「原判決及び争点」をホームページで公表している。

 

この裁判では,原審・仙台高裁は,「無駄な(事実上不可能な)団体交渉を命じることは,無意味だ。」という趣旨から,山形県労働委員会の上記救済命令を違法無効と判断したらしい。

 

 

ところが,高裁は,団体交渉再開によって,有意な合意形成が事実上不可能であると見込まれる場合であっても,労働委員会の救済命令は適法であると判示した。

労働委員会の職責を考えると,当たり前といえば,当たり前の判断だ。

 

 

ところで,山形県というと,私が大学時代,司法試験受験の勉強仲間(私を含め4名)だったM君が山形県出身で,司法試験合格後は,「郷里に戻って,弁護士になる。」といって,東京を後にした(残り二人は,裁判官になった)。

最高裁に上告申立てをしたのは,ひょっとしてM君ではないか・・・?,と頭をよぎったので,最高裁のホームページを確認すると・・・。

やはりな。

 

 

愛知でも,似たようなことが起きている模様。