北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

「北杜」の文字を見て

日曜日は、昼まで寝ていることが多い。
起きてから、ブラブラ散歩を兼ねて、近所のパン屋にパンを買いに行くと、店内に、「北杜」の文字が目にとまった。「ブルーベリーのジャム」の瓶で、「八ヶ岳、北杜市で栽培された生食用のブルーベリーのみを使用してます」と書かれている。

我々の世代、といっても私だけかもしれないが、「北杜」というと、「北杜夫」を思い浮かべる。私の読書遍歴の最初が、中学時代に読んだ新潮文庫の「船乗りクプクプの冒険」で、その後、「どくとるマンボウ航海記」等の北杜夫の著作へと進んでいった。

 

 恥ずかしながら、実は私は、「北杜市」という地名があることを知らなかった。ネットで調べると、北杜市は、山梨県にあり、松本市(長野県)にも近い。

ということは、旧制松本高校(長野県松本市)出身の北杜夫(本名・斎藤宗吉)は、自身のペンネームを学生時代に、何らかの思い入れをもった土地、すなわち「北杜市」からとった、ということか。

と思って、wikipediaを検索すると、どうやら「北杜市」は、ペンネームとは関係ないらしい。

「ペンネームは文学活動を開始するにあたり、“親の七光り”と陰口を叩かれることを嫌い、茂吉の息子であることを隠す意図で用い始めた。旧制松本高校時代は斎藤憂行と名乗っていた。杜夫の由来は仙台(杜の都)在住時、心酔するトーマス・マンの『トニオ・クレーゲル』に因んで、漢字で「杜仁夫」とつけようとした。本人の談では、まず北の都に住んだので、「北」とつけ、「杜仁夫」ではあまりに日本人離れしているので、「杜夫」にしたということである。その後順次「東」、「南」、「西」と、ペンネームを変更するつもりだったが、「北杜夫」で原稿が売れ始め、ペンネームを変更すると、出版社との契約等で支障があると判明し、そのままになった[30]。」