北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

円空は、何故、動物神に「舌」を出させたのか?

小渕観音院(埼玉県春日部市)の徳夜叉明神像から「舌」が出ているのを見て、以前から奇妙に感じていた。

 

今般、薬王寺(さいたま市)の善女龍王像の写真を見ていて、この頭上の龍も「舌」を出していることに気づき、益々奇妙に思った。

 

キトラ古墳の青龍も舌を出しているが、同時に口も大きく開けているので、円空の龍の舌とは同列に扱えない。

 

 直観的には、ちょっと「悪ふざけ」をしただけのような気がする。
 念のため、一晩考えたが、「舌」自体には特に宗教的な意味があるようには思われず、「ウケを狙った」というか、自身の神仏像に注目してもらいたい、「意味が分からない。」と思わせること自体に意味がある、つまり、人々に(特に幼年者の)気を惹き、注目させること自体に意味があったとしか考えにくい。現に、このような「動物神の口からだらしなくダラッと出た大きな舌」の特徴は、埼玉方面に特有のもので、この地で突如登場した後、円空が岐阜・愛知方面に戻って以後、このような特徴は消滅している(宗教的に有意義な特徴であれば、その後も何らかの形で、像容に反映されるはずであろう)。
 結局、私見としては、円空が「ウケを狙った」が、関東方面では「ウケなかった」ので、地元に戻ってからは、「悪ふざけ」は止めることにした、というように考えることにした。