北口雅章法律事務所

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“ 円空・終焉の地 ”(岐阜県関市)を訪ねた

岐阜県関市には、円空が入寂した弥勒寺(大正時代に消失)が存在した場所(池尻)があり、円空が晩年に活動拠点とした高賀(こうが)神社(洞戸)もある。そして、現在は、弥勒寺西遺跡の横には、「関市円空館」(池尻)があり、高賀神社の鳥居の横には、「関市洞戸円空記念館」(洞戸)があり、いずれの施設も、数々の著名な円空仏を鑑賞できる。

 

やはり実物と、これまで見てきた出版物等の写真とでは、全く印象が異なり、発見もある。例えば、長谷川公茂氏(前円空学会理事長)の下掲写真(「高賀神社の円空仏」より)を見ただけではわからないが、「関市洞戸円空記念館」に収蔵されている十一面観音像の口の凹みを鑑賞すると、僅かに「舌」が出ていた(この像容は、小渕観音院の聖観音と同様である。)。

 

 いずれも館内撮影禁止であり(ただし、「神仏像以外なら撮ってもいい」と撮影許可を得た。)、図録もなく、スケッチをする時間的余裕もないのが恨めしいが、「関市洞戸円空記念館」では、円空歌集の原稿(高賀神社所蔵の大般若経の表紙裏に貼り付けられた和紙)の一部の写真とともに、19首の和歌について、簡略ながら適切な歌意の解説がつけられていた。

 念のため、受付兼売店のおばちゃんに、「館内二階に展示してあるような、和歌の解説を載せた冊子はないのかな?」と尋ねたら、かつて特別展を企画したときの「円空和歌集」と題する冊子を出してきて売ってくれた。

 これには上記19首のうちの15首について解説が載せられていた。

 そこで、さらに、そのおばちゃんに、「解説はなくてもいいから、円空歌集の原稿の写真を全部撮影したような図録はないのかな?」と尋ねたら、なんと、奥から円空学会編『円空研究=10〈円空歌集Ⅰ〉』『円空研究=11〈円空歌集Ⅱ〉』を出してくれたので、すぐさま購入した(『円空研究』に掲載されていることは、知らなかった。)。いずれも、あまり売れないので、表には出してない、とのこと。

 やはり、現地を訪ねると、いろいろ得るものがある、ということですな。

 

「関市円空館」(池尻)の前の道路に据えられたマンホールの図柄は、一瞬、円空かな?と思ったが、よく見たら、手で振りかざしているのは鉈ではなかった。これは、関市の名物、「刀鍛冶」と「鵜飼い」ですね。

 

高賀神社

 

関市には、通称「モネの池」もある。

 

新長谷寺(しんちょうこくじ;関市)の仁王