北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

古代エジプトに仏教伝来?

エジプトの国家機関(観光・考古省)が公表したところによれば、紅海に面する古代港湾都市・ ベレニケ(Berenice)の神殿から、「釈迦(しゃか)像」が発見された、ローマ帝国時代の古代エジプトと古代インドとの交易関係を知る手がかりになる、とのこと。なかなか興味深い。

 

頭髪は螺髪で、頭部が肉髻(にくけい)が出ているが、額に白毫はない。額には、柔和な表情とは対局にある、神経質そうな皺が刻されているように見える。光背もまるで太陽の光線を描いたようだ。いかにもエジプトらしい。太陽神を崇めるエジプトでは、仏教は流行らない。

教科書的には、アレクサンダー大王(紀元前323年没)がペルシア遠征を開始させたのが紀元前334年で、それ以後、ヘレニズム文化(古代ギリシア文化と東方文化との融合)が生ずる。原始仏教では偶像崇拝の慣習はなかったが、ヘレニズム文化の影響で、古代インドのガンダーラ地方で、釈迦を模った仏像が生まれる。これが「ガンダーラ美術」である。

 

確かに、ベレニケ(Berenice)の位置は、古代エジプト(プトレマイオス王朝)の紅海に面した東南端にあったことがわかる。