北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

中国人女性は、我慢強い

中国人女性のTさんから、数年前、日本の某大学病院で医療事故に遭った御母堂の関係で、医療事故の調査と裁判を頼まれたが、いよいよ提訴というときに、「今年は、四柱推命によると年回りが悪いので、延期しましょう。」ということで保留になった。そうこうするうちに、Tさんは、日本の会社を退職して、御母堂の介護のため帰国してしまい、次いで、新型コロナウイルスが社会問題化した関係で、Tさんとの連絡が途絶えた。

ところが、最近になって、Tさんから連絡をいただいた。
鑑定書もできあがったところで、いよいよと思っていた矢先、またもや、このほど「(本国で)御尊父が死去されたので、提訴はしばらく待って欲しい。」とのメールが入った(喪に服するためか?)。ともあれ、本国での御母堂の療養介護・介助で目が離せないところで、精神的な支えの一つを失ったようで、大変そうだ。

これと全然関係ない話ではあるが、
先般、中学の同級生(女性)から電話で法律相談があった。
彼女の要望に応えるべく、「家族信託」のお勉強を始めたところ、ある裁判例(東京地裁平成30年10月30日判決)を読んでいると、中国人女性が絡む話が出てきた。

父(原告)と母との間に、長男Aと次男B(被告)が生まれ、長男Aは中国人女性Cの結婚した。ところが、平成26年、長男Aが死亡し、その死後、平成28年、父母は中国人女性Cと養子縁組し、父は、実子Bを被告として訴え、裁判沙汰になっている。

一体何があったのか?と思うが、…

それにしても、中国人女性Cさんの「奇特な献身ぶり」に驚かされる。
実は、長男Aは若い頃に統合失調症に罹患して、ほとんど働かない中、その妻であるCさんが、平成26年にAが死亡するまで(約10年間)、Aの面倒を見ながら、非定型精神病である義母の面倒もみてきており、かつ、義父が経営するラーメン店の仕事をほとんど一人で行って、さらに夫Aの死亡後も義父母と同居し、その世話をしている、とのこと。であれば、養子縁組もむべなるかな、だ。
 おまけに、次男Bが実家に立ち寄った際、Cさんから父母夫妻との養子縁組の話を聞いて激高し、Cさんに激しい暴行を加え、実家自宅のガラス戸を破壊するなどしたため、逮捕勾留された、というのだ(次男Bは「泥酔していたため記憶がない」と弁明しているようだが、それにしてもやり過ぎだろう)。

弁護士業をしていると、日本社会は病んでいるなァとつくづく思うが、社会病理に取り組むことこそが弁護士の職責なのだ、と考えざるを得ない。