北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

女優・広末涼子氏の「離婚広告」に思う。

所属事務所の公式サイトに、「離婚広告」が出ていた。
このような「芸能ネタ」など私には全く興味がないが、「離婚広告」の文面・内容は、慎重によく練られており、おそらく「弁護士の作文」であろう、と想像される。何故か?

一般人には、そつがないように読めるであろう。
だが、「同業者(弁護士)の視点」から読むと、いろいろ鼻につく。

まず、第1段落は、本来、「私事で、世間をお騒がせしましたが、このたび離婚しました。」で必要にして十分のはずである。
 ところが「広末順さんとは」という相手方の本名を明示することで、「広末」が芸名でなく本名であること、したがって、夫の方が、妻の戸籍に入籍にしていた、というプライバシー情報が暴露されている。のみならず、「子供たちの親権」の帰属といった、家庭内事情まで言及しており、御自身の親権の正当性を、ちゃっかりアピールしている。

第2段落は、離婚発表に迷ったかのように思わせつつ、「子どもたちの不安や心配が広がることのないことを願って」だの、「子どもたちへの過度な取材等は、ご容赦下さいますよう」云々と「子どもをダシにして」ちゃっかり一方的・先制的な離婚発表を正当化している
 週刊誌等が「子どもたちへの過度な取材等」をしたとは到底思えないが…。

第3段落は、ファンへの「感謝」でしめくくるといった常套手段をとり、好感度の維持に努めており、「打算」が透けて見える。「生きることへの前向きで(お優しいお言葉)」という文句は、いかにもさりげなく「私、死にたいほどの(恥ずかしい)思いをしたのよ」とファンにアピールし、ちゃっかり同情心を煽っているものと、と勘繰ってしまう。しかし、それでも純朴な広末ファンは、そのようには勘繰らずに、「ふ~ん、やっぱり死にたいほど大変な思いをしたのね。」と同情する。

 このような「打算」「計算」のもとに、「慎重に」言葉を選んでいるところに、弁護士の配慮が透けて見える。と言っては、言い過ぎか。

 「…で、芸能事務所は、弁護士にいくら払ったのかな?」
 「失礼な! 全部、彼女が自分で考え、書いたものですよ。」だと? それにしては、離婚成立後、「離婚広告」までのタイミングが随分とまた早いよな。

 

 

ほお? どこどこ?

「アンミカは、広末の一方的な収束宣言に疑問符。「広末さんにとって、今回の件が終着だとしても、奥さんにとっては自分が離婚を切り出されるかもしれないという不安のスタートにもなりうるんじゃないかと考えると、一件が終着したと言い切ってしまうのは、奥様に配慮が足りないんじゃないかなと感じますね」と首をかしげた。」

 

アンミカ氏の論旨は、「一件が終着したと言い切ってしまう」=「広末の一方的な収束宣言」は、「奥さんにとっては自分が離婚を切り出されるかもしれないという不安のスタートにもなりうる」から、「奥様に配慮が足りない」。それ故、「疑問符」がつく、という。

が、日本語の理解が間違っていますね。恥ずかしい。

 

「アンミカ氏」が噛みついたは、広末氏の「離婚広告」の第2段落

ここで、広末氏が「今回の一件が終着し」というのは、「これ以上子どもたちの不安や心配が広がることのないこと」とともに、「を願って」という「願望の対象」の一つに過ぎない。それをもって、「広末の一方的な収束宣言」という意味に受け取るアンミカ氏の理解は、日本語の理解として、誤っていますね。