北口雅章法律事務所

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「千光寺(in 尾道)」 と 「千光寺(in 飛騨高山)」

尾道にも,飛騨高山にも,「千光寺」がある。(京都にもある。)

2つの「千光寺」に共通することは,
真言宗系の寺であることと,
本尊として「千手観音菩薩」を祀ってあることである。
「千光寺」の「千」は,「千手観音」の「千」とは無関係ではあるまい。

尾道の千光寺は,大同元年(806年)に創建されたとされているが,空海との関係は,不明である(同寺のHPには,空海の開基とまでは掲載されていない。)。宗派についても,「真言宗系単立」と公表されており,真言宗であっても,高野山の系列には属しないのであろう。方や,飛騨高山の千光寺(岐阜県高山市丹生川町下保1553)の方は,同寺のHPによれば,真如親王(しんにょしんのう)(平城天皇皇太子・弘法大師十大弟子の一人) によって開基され,高野山真言宗に属するものとされている。

全国的には,尾道の千光寺の方が有名であろうが,私個人的には,
両面宿儺(りょうめんすくな)像や,賓頭盧(びんずる)尊者座像等を含む計64躯の円空仏を擁する,飛騨高山の千光寺の方に思い入れがある。

ちなみに,「千光寺」の本尊である「千手観音菩薩」を造顕した,
円空の最高傑作は,飛騨千光寺から,約10キロほど,北西に位置する
清峯寺(せいほうじ。高山市国府町鶴巣1320-2)にある。

図録「飛騨の円空―千光寺とその周辺の足跡」(東京国立博物館140周年 2013)より。