北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

法廷での初笑い

今日(1月12日)、名古屋高裁民事1部で、第1回口頭弁論があった。
昨年9月12日に言い渡された第1審判決(名古屋地裁)は、我が方(原告)の完勝であった。

ところが、

相手方(被告代理人)から、控訴提起され、その後も、被告代理人から、なかなか裁判所に控訴理由書が提出されてなかった。控訴理由書の提出期限(民事訴訟法によれば、昨年11月14日)など無視され、第1回口頭弁論期日(本日)が迫るなか、控訴理由書が提出されたのは、控訴提起から90日も過ぎた後の、昨年末、12月25日のことだった。年末のあわただしい時期に、答弁書・反論書など書く暇などない(それが相手方弁護士の狙いなのか?、そのような当方の困惑すらも想い浮かぶタマではない、ということなのか?)。

だが、年明けて、本年1月4日、私の方で答弁書・反論書を即日起案し、共同受任の弁護士2名の了解のもと、翌5日には、裁判所にその書面を提出した。控訴理由書にはいろいろ書かれてあったが、いずれの主張も、「意味不明」か「争点との関連性なし」かに分類され、総じて、「控訴理由書の体をなしていない。」の一言で要約できた(当方の書面でも、冒頭で、ハッキリとそのように指摘してやった。)。

ところが、

本日、そのような書面の作成者である相手方の代理人弁護士が、またしても、法廷の時間に遅刻してきた。相手方代理人を待っている間、裁判長が、当方に対し「書面を期日に間に合わせてくださり、ありがとうございました。」と礼を言ってくれた。

しばらくして、業を煮やした書記官が、相手方代理人の携帯電話に督促の電話を入れると、「今、裁判所のエレベーターに乗って、法廷に向かっています。」とのことであった。

そして、裁判官三名と、われわれ被控訴人代理人三名が法廷で待ち構えていると、相手方代理人が法廷に物怖じせずに現れ、黙ったままつかつかと歩いて、控訴人側代理人席に着いた。(おい!、「遅れてしまい、申し訳ありませんでした。」と一言詫びるべきだろうが! 客観的には、完全になめられているといわざるを得ないが、おそらくは、相手方弁護士本人には、そのような自覚さえも、全くないのだろう。どーゆー教育を受けたら、そーゆー神経が培われるのかは知らんが、それにしても、弁護士も、随分と多様化したものだ。)

裁判長が、相手方代理人の方を見向きもせず、真っ直ぐ前をみて、
「能面のような」顔つきで、
「お待ちしておりました。」と、物静かに皮肉を言ったのには笑えた。

当然のことながら即日結審し、判決言渡は2月28日。
最速に近い約1ヶ月半後ですな。やれやれ結論は見えた。