北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

「パーフォーマンス」が横行する社会

自民党による「派閥解消」も
東京地検特捜部による「裏金疑惑捜査」も
単なる「パーフォーマンス」(見せかけ;建前)に過ぎないものと思う。

 

どこぞの新聞に出ていた、立憲民主党・岡田克也幹事長のご指摘のうち、「派閥解消」が建前論におわる可能性が高い、との指摘(「派閥解消 目を奪われないで」)は正しい。現に時の首相が、過去何回も「派閥解消」を公言してきた過去がある、にもかかわらず「元の木阿弥」となった過去の歴史的事実があり、そもそも、徒党を組んで、組織的に票を集めないことには、たとえ党内部であっても、勢力=影響力を獲得・維持・拡大できないのが「政治の本質」であって(弁護士会の選挙も全く同じ)、名称と構成は変わっても、派閥政治の本質は不変だからである。

これに対し、「派閥の幹部は立件されなかったが、共謀の事実が立証できなかっただけ。」という岡田幹事長の指摘は正しくない、と思われる。東京地検特捜部が本気になって(持ち前の「得意技」を使って)、会計責任者を「精神的に」恫喝すれば、派閥幹部との「共謀の事実」など容易に立証できたはずである。にもかかわらず、「共謀の事実が立証できなかった」という口実のもと、東京地検特捜部が派閥幹部の立件を見送ったのは、当初から派閥幹部を検挙する気などサラサラなく、中途で、これを特捜部の「パーフォーマンス」と思わない(騙されて、恐れ縮みいった)派閥幹部つまり政権与党幹部と「手打ち」をしたというに過ぎないのであって、「裏金疑惑」の捜査自体が「パーフォーマンス」に過ぎないものであることを裏付けている、と思料される。