北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

法理論的には疑問のある、札幌高裁・同性婚訴訟判決

 

理論的には、
『違憲だ』言い切るなら、国家賠償を認めろよ。
 逆に、国家賠償を認めないのなら、
 せいぜい『違憲状態』の認定にとどめろよ。
と言いたくなる。

それとも、「マスコミ・ウケ」を狙っているのか?

 

 現行憲法が認める「婚姻」の定義は、「両性の合意」(24条1項)を要件として成立する夫婦共同体である。札幌高裁(裁判長斎藤清文判事)が、「同性の合意」によって成立する家族共同体を「婚姻」の定義に含めないのは不適法だ、というのであれば、それは、法律(立法)や法執行・法運用(行政)に規範違反があるからではなく、現行憲法自体に規範違反がある、ということにならざるを得ないのではないか? 何故ならば、憲法自体が「同性の合意」による「婚姻」の成立を認めていないのだから(憲法24条1項)
 その一方で裁判所・裁判官が、現行の戸籍法等が根拠規範とする憲法24条1項自体に問題がある、と批判することは、(当該裁判官「個人」の「政治的」主張の是非はともかく)裁判官の憲法尊重擁護義務(憲法99条)に違反することになるではないか? 裁判官が憲法の規律を自身の価値判断に基づいて批判することは「裁判所政治の運営」(Jrome Frank )に他ならない。

 

最高裁の見解・見識をうかがいたいものだ。

 

[追記:令和6年3月15日]

 普段、訴訟記録の精査と、判決起案に追われ、立法事実など把握しているわけがないはずの裁判官が司法裁判に際して「立法論」を宣言することには非常な違和感を覚える。マスコミから「先駆者的な正義漢」として、チヤホヤされたいのか?

 

10人に1人が LGBTだという根拠はどこにあるのか? 

個々人の極めてセンシティブな「秘匿」情報についてアンケート調査を行ったなどということはいつぞ聞いたことがない(アンケート回答者が正直に回答するなどといった保証もない。)。未だカミングアウトしてないことLGBT関係者が相当数いることを考慮すると、「10人に1人」の比率を優に超える可能性が高いと思われるが、本当か?と疑問に思う。

(朝日新聞「天声人語」より)