北口雅章法律事務所

弁護士のブログBlog

「世間の空気」を鋭敏に読み取る、最高裁

ほぉ― 最高裁がいかに「世間の空気」を鋭敏に読み取る機関か、よくわかった。

 

 

本来、「不訴求(裁判を起こさない旨)の念書」の有効性を認めたことが「重大な法令違反」(公序良俗違反の解釈の誤り? 経験則違反?)に当たるなどとは、到底思われない。
 にもかかわらず、最高裁第一小法廷が、口頭弁論を開く背景には、純粋理論的な法解釈上の重大な誤りを正す目的ではなく(原々審の東京地裁や、原審の東京高裁が、そのような重大な誤りを一致して犯すことは希有なことである。)、旧統一教会に向けられた「世間の空気」を読んだ、としか考えられない。
 蓋し、最高裁が本件を不受理とすれば、旧統一教会サイドが「勝った、勝った!」と騒ぎ立て、同種事案に悪影響を及ぼす、といった殊勝な判断?が存在した、というよりも、「旧統一教会を勝たせた最高裁」という、マスコミからの社会的批判=バッシングを怖れた、としか考えられないからである。私が手掛ける数々の重要事件については、尽く「無慈悲に」不受理とするくせに…