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ミケランジェロの傑作「キリストの復活」だと?

昨日、読賣新聞を斜め読みしていたら、
ミケランジェロの彫刻「キリストの復活」
と出ていたので、違和感を覚えた。

ミケランジェロの全集(作品リスト)には、「キリストの復活」などといった作品などなかったはずだからだ。

 

他のマスコミ報道をみると、
どうやら、ミケランジェロの未完作品をベルニーニが完成させた(?)、という説もあるようだが、これも怪しい。もし仮にそうであるならば、彫刻家ベルニーニも偉大な巨匠なので、「ベルニーニの『キリストの復活』、大阪万博に来たる!」と報道すべきであろう。

 

ベルニーニの作品で最も有名な作品は、『聖女テレサ像』(サンタ・マリア・デッラ・ヴィットーリア聖堂コルナーロ礼拝堂)。スペイン(16世紀)の修道女・聖テレサが自身の神秘体験を綴った本によれば、天使が金色の矢で彼女の心臓を射抜くと、痛みとともに無情の喜びが全身を満たし、神々しい恍惚の瞬間がおとづれたという。

 ベルニーニの『聖女テレサ像』では、彼女が雲に乗って天に運ばれる際、幾筋もの金色の光の流れが降り注ぎ、恍惚として気を失いかけている様子が描かれている。

E.H.Gombrich「The Story of Art」(河出書房新社)参照

 

ちなみに、E.H.Gombrichによると、ベルニーニの最高傑作は、
若いご婦人の胸像だそうです。