北口雅章法律事務所

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西川克行・検事総長は,国民の負託と期待に応えたといえるか??

森友学園問題で、大阪地検特捜部が、佐川宣寿・前国税庁長官を不起訴処分とした。

 

西川克行・検事総長は,国民の負託と期待に応えたといえるか??

 

(検察庁のホームページより)

 

私は,西川検事総長は,国民の負託・期待に背き・裏切り
「安倍官邸」に阿(おもね)ったものと考える。

われわれ法律家においては常識であるが,「検察官同一体の原則」(検察庁法7~13条)に照らし,今般の大阪地検特捜部の不起訴処分の背後に,西川克行・検事総長の最終判断があったことは自明の理である。
 
処分理由は,「嫌疑不十分」とのことであるが,公文書改ざんは前代未聞の規模であり,14の決裁文書で300カ所以上が削除された上,安倍晋三首相の妻昭恵氏や政治家の名、さらに土地取引をめぐる「特例的」などの表現が、交渉経緯とともに削除されていることから(毎日新聞),少なくとも,公文書毀棄罪(刑法258条)が成立することは明らかだ大阪地検(検察庁)は、改ざん部分が「文書の本質の変更」には当たらないことを不起訴理由にあげたとのことであるが,公文書毀棄罪の構成要件には,「文書の本質の変更」などいう構成要件要素などない!! 「安倍首相の妻の関与」は,文書の根幹部分であり,これにより,佐川被疑者は,国民を欺き,国会審議を空転させたのであって,「公文書毀棄」の処罰根拠は十分にある。また,財務省でさえも佐川被疑者の「指示」を認めているのであるから,「嫌疑『不十分』」などという判断もありえない

 <参照> https://www.kitaguchilaw.jp/blog/?p=2418

 

 西川検事総長がとった今回の態度と比較すると,1976年(昭和42年)、日本の疑獄史上、最大の事件とされるロッキード事件の捜査を指揮し、政治の圧力に屈せず田中角栄元首相を逮捕、起訴に追い込んだ「布施健(ふせたけし)」検事総長は偉かった西川検事総長には,亡布施・元検事総長の「爪の垢」を煎じて飲んでもらいたいものだ。